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公開日:2016.11.04

鎌倉風致保存会
緑化功労者表彰を受賞
半世紀以上の活動評価

  • 8月に鎌倉高校の生徒も参加した御谷山林の整備の様子(提供:同会)

 公益財団法人鎌倉風致保存会(兵藤芳朗理事長)がこのほど、国土交通大臣から都市緑化功労者表彰を受賞した。50年以上にわたる活動が評価された。同会は、「次の世代に活動を引き継いでいきたい」と意気込んでいる。

 これは都市における緑化推進や緑地保全等に顕著な功績のあった個人や民間団体を表彰するもの。今年度は25人、4団体が選ばれた。

 鎌倉風致保存会は会員や市民を中心に、年間を通じて御谷山林や十二所果樹園といった緑地、市内の各史跡等で緑地の整備活動を長年行っていることなどが評価された。

 10月28日には都内で表彰式が開催され、兵藤理事長は「これまでの積み重ねが評価されて嬉しい。今年は当会の活動がきっかけで成立した古都保存法が施行されて50周年でもある。これからも活動が次世代に引き継がれていくよう、会員や市民の皆さんと努力していきたい」と話した。

緑地保全の先駆け

 鎌倉風致保存会が発足したのは、東京オリンピックや東海道新幹線開通に日本中が沸いた1964年。きっかけは「鎌倉の象徴」ともいえる鶴岡八幡宮の裏山「御谷」に開発の波が押し寄せたことだった。

 これに反対した地域住民に鎌倉文士と呼ばれる市内在住の著名人らも賛同。作家の大佛次郎は新聞に寄稿したエッセイの中で、市民から寄付を募り残したい土地や建物を購入、保全するイギリスの「ナショナル・トラスト運動」を紹介した。

 「御谷騒動」と呼ばれた一連の運動をきっかけに64年12月、「財団法人鎌倉風致保存会」が設立され、66年に募金をもとに御谷林1・5haを買い取ることで、日本におけるナショナル・トラスト運動の先駆けとなった。こうした動きは当時のマスコミでも大きく取り上げられ、古都の歴史的景観を乱開発から守る「古都保存法」が超党派の議員立法で制定された。

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