鎌倉市は3月26日、将来のごみ処理体制に関して「焼却施設は建設しない」などとする、新たな方針を発表した。今後は今泉クリーンセンター跡地を候補地として生ごみ資源化施設を整備するなど、ごみ減量施策を進め、2029年度の家庭系可燃ごみを約1万トンにまで削減。焼却するごみは広域連携の協議が進む逗子市の施設、または民間事業者などに委託する、としている。
これは同日開かれた議会全員協議会で報告されたもの。
現在の鎌倉市のごみ処理体制は、15年3月に今泉クリーンセンターが稼働を停止し、唯一の焼却施設である名越クリーンセンターも25年3月末での停止が決まっている。
そのため市は新たな焼却施設の建設を目指し、15年4月に山崎下水道終末処理場の未活用地を候補地に決定した。
しかし「長年下水処理場の臭気や振動に悩まされており、これ以上の迷惑施設建設は容認できない」とする地元の反発は強く、話し合いは平行線をたどった。その間、市は16年7月に逗子市、葉山町と覚書を締結。ごみ処理広域化に関する協議も続けられてきた。
「資源化で減量」
新たなごみ処理方針の発表にあたり市は「安定的な処理には焼却施設を整備することが最適」とする一方で、リサイクル意識の高まりや人口減少でごみ排出量そのものが減っていること、資源化に関する新しい技術が次々と登場し可燃ごみ自体が大幅に減少することが予想されていること、費用面や環境負荷への優位性などの観点から「焼却施設を建設せずに、ごみの減量と資源化を進める方向に方針転換することが、本市の将来のごみ処理体制を構築する方策として妥当」とした。
今後は、今泉クリーンセンター跡地を候補地として生ごみ資源化施設の整備を目指す考え。21年10月をめどに小規模な施設を稼働させ、28年10月までに施設を拡大。29年度には、可燃ごみの焼却量を1万トン前後にまで削減するとしている。
名越クリーンセンターの稼働停止後については広域連携の協議が整えば逗子市の焼却施設で、出来ない場合は民間事業者などに処理を委託する、とした。
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