鎌倉市はこのほど、大仏坂トンネル付近にある旧神奈川県営湘南水道鎌倉加圧ポンプ所(旧大仏坂体育館・長谷4の527の1ほか)を新たに景観重要建築物等に指定した。市内で32件目となる。
鎌倉らしい魅力的な都市景観の形成を図るため、市は1996年に都市景観条例を施行。建物や門、塀などの工作物を景観重要建築物等に指定している。保存・活用のために必要と認めた建物などの修繕や改修費用の一部(当該費用の2分の1、上限300万円)を助成している。
県営水道事業初の遺構
同施設は湘南地域が観光地や別荘地、住宅地などとして発展するにつれ、水質不良や水量不足に悩まされるようになったことから、県が1市9町(平塚市、大磯町、茅ヶ崎町、藤沢町、片瀬町、腰越町、鎌倉町、逗子町、葉山町および浦賀町)に水道水を供給する設備の一環として、36年に完成させたもの。鉄筋コンクリート造平屋、一部2階建てで、延べ床面積約350平方メートル。スクラッチタイル張りの外観は、大仏坂トンネル付近の景観のポイントとなっている。
市担当者は「相模川から取水した水を湘南広域に供給する県営水道事業の最初の施設として、鎌倉市民の生活を支えた近代水道遺産を継承するもの」と評価する。
61年に廃止された後は、65年から02年まで市に貸与され、大仏坂体育館として利用された。16年に県が外観保存を条件に、一般競争入札で売却。落札した民間企業は今後、建物の利活用を予定しているという。
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