神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鎌倉版 公開:2019年5月24日 エリアトップへ

長谷在住加藤茂雄さん 93歳で初主演映画が完成 6月1日、光明寺で上映会

文化

公開:2019年5月24日

  • X
  • LINE
  • hatena
映画のワンシーン。老漁師を演じた加藤さん(左)と新人女優の宮崎勇希さん
映画のワンシーン。老漁師を演じた加藤さん(左)と新人女優の宮崎勇希さん

 漁師との「二足のわらじ」を履きながら、「大部屋俳優」として数々の名作に出演してきた加藤茂雄さん(長谷在住・93)の初主演映画『浜の記憶』が、このほど完成した。6月1日(土)には材木座にある光明寺で上映会が開かれる。加藤さんは「若者からお年寄りまでたくさんの人が、この作品を観て元気になってもらえれば」と話している。

「脇役」として活躍

 1925年、江戸時代から続く市内の網元「長四郎網」の分家に生まれた加藤さん。20歳で旧陸軍に召集されるが、その15日後に終戦を迎えた。

 転機は翌年、光明寺に開校した「鎌倉アカデミア」に入学したことだった。演劇科の一期生として学び、「自由な気風や演じることの奥深さに魅了された」という。

 在学中の48年に「春の目ざめ」で初舞台を踏み、卒業後は映画会社東宝に入社。大部屋俳優として、黒澤明監督の「七人の侍」では村人、本多猪四郎監督の「ゴジラ」では逃げ惑う人など、様々な役柄を演じた。すし屋の店主のオファーがきた時は、実際に店に行って技術を学び、豆腐店でおからを買って握りの練習もしたという。「人一倍、人間観察に努めた。偽物を本物に見せないといけないからね」。主役ではないが作品に厚みを持たせる役割にやりがいを感じた。

 その後、テレビや舞台、声優など、幅広い分野で活躍。「今まで元気でいられたのは、与えられた役に没頭できたから」と振り返る。また本家の網元に後継者がいなかったこともあり、役者をしながら漁にも出続けた。

 2017年に公開されたドキュメンタリー映画「鎌倉アカデミア 青の時代」で、加藤さんと知り合った大嶋拓監督から「俳優生活70周年を記念して主演映画を作りたい」と持ちかけられたのは2年前。「この歳で主演の話がくるなんて夢にも思わなかった」と語る。

実生活と重なる漁師役

 今回、加藤さんが演じたのは、長谷の海岸付近で一人暮らしをする老漁師・繁田。実生活とも重なる役どころだ。

 繁田はある日、亡き祖父が漁師だったというカメラマンの少女・由希と出会う。やがて2人は、互いの空白を埋めるかのように市内の海岸や古寺を巡り、次第に親しさを増していくストーリー。

 撮影期間は、昨年9月から約1カ月間。加藤さんは「台本覚えるのは大変だった。記憶するだけでなく、声の出し方や感情の入れ方にもこだわったからね」と振り返り、「スタッフがカメラ横で台本のカンペを出してくれたり、こんな私をサポートしてくれて大変ありがたかった」と話す。

 上映会場は光明寺の開山堂。「浜の記憶」は午後1時から上映。3時から「鎌倉アカデミア 青の時代」も同時上映。当日は、加藤さんのトークイベントもあり。

 入場料1000円。前売り券は長谷駅近くのコーヒー店「idоbata」で取り扱っているが、当日会場でも販売。(問)鎌倉アカデミアを伝える会の小泉さん【電話】090・3007・9025

「見る人に元気を」と加藤さん
「見る人に元気を」と加藤さん

鎌倉版のトップニュース最新6

障害の壁ない公園に

鎌倉海浜公園由比ガ浜地区

障害の壁ない公園に

来春開設めざし着工

12月1日

位置条例案、提出見送り

市役所移転計画

位置条例案、提出見送り

市長「可決の見通し立たず」

12月1日

8年連続36回目の全国へ

鎌倉女大中・高マーチングバンド

8年連続36回目の全国へ

関東大会1位で突破

11月24日

経済回復へ「勢い取り戻す」

経済回復へ「勢い取り戻す」

4年ぶり 商議所会員一堂に

11月24日

鎌高前踏切に警察車両

鎌高前踏切に警察車両

週5日配備し安全強化

11月17日

どこかの誰かに出す手紙

どこかの誰かに出す手紙

文具店(大町)の企画に200通

11月17日

あっとほーむデスク

  • 4月22日0:00更新

  • 8月20日0:00更新

  • 7月16日0:00更新

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

鎌倉版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2023年12月2日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook