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鎌倉版 公開:2019年7月19日 エリアトップへ

10年の観察記録一冊に 浅野さん『鎌倉市の蝶』発行

社会

公開:2019年7月19日

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冊子を手にする浅野さん(左)水辺にすむミドリシジミ(右上)や生体系への影響が懸念されるアカボシゴマダラ(右下)
冊子を手にする浅野さん(左)水辺にすむミドリシジミ(右上)や生体系への影響が懸念されるアカボシゴマダラ(右下)

 市内岡本在住の浅野勝司さん(81)がこのほど、『鎌倉市の蝶』と題した冊子を作成した。2008年から17年まで、10年にわたって続けた蝶の観察記録を一冊にまとめたもの。「地域の記録として、今後の種の保存などに活用してもらえたら」と話す。

 浅野さんは栃木県宇都宮市出身。幼い頃から昆虫が好きで、宇都宮大学農学部でも昆虫の研究を専攻した。卒業後はJA全農に就職。全国を巡って農家や農協職員に農薬の使い方を指導した。

 社会人になっても昆虫への情熱は衰えず、愛好家仲間とともにヨーロッパや東南アジアなどに採集旅行に出かけたほか、地元の研究会に所属し、情報交換を行ってきた。

 浅野さんが鎌倉に住むようになったのは1971年。08年、70歳を迎えたのを機に「地元鎌倉の蝶を観察しよう」と思い立つ。その後は鎌倉中央公園や広町緑地、夫婦池公園など市内各地で種類や量、発生場所、時期などを記録し続けた。

 こうして10年間で撮影したのは深緑色が美しいミドリシジミなど60種。このほどカラー刷り29ページの冊子にまとめた。

 「観察の過程で様々な環境の変化を感じた」と浅野さん。温暖化の影響で、かつては越冬できなかったナガサキアゲハ、市内では02年に浅野さんが初めて採集したアカボシゴマダラなどが定着している。特にアカボシゴマダラは国内には奄美大島にしかいない種類。その後の研究で中国など大陸種が人為的に持ち込まれて繁殖したことが分かり、従来の生態系への影響が懸念されているという。

 浅野さんは「鎌倉は地形の複雑さや自然保護活動が盛んだったこともあり、豊かな自然が残り蝶も多くの種類が観察できる。地域における記録として、将来活用してもらえたら」と話している。

 冊子は市内の小中学校や図書館に寄贈済み。また個人的に希望する場合は、250円分の切手を〒247-0072鎌倉市岡本1241の4鎌倉ロジュマンC-911へ送ると、誌代は無料で郵送してくれる。詳細は浅野さん【電話】0467・43・1134へ。

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