山道を迷うことなくハイキングを楽しんでもらおうと、2つの市民団体がこのほど、葛原岡・大仏ハイキングコースに案内板を設置した。案内板には、コンビニエンスストアや公衆トイレ、バス停のほか、現在は使われなくなった旧地名などが緻密に描かれている。
浄智寺付近から鎌倉大仏殿高徳院付近までつながる全長約3Kmの葛原岡・大仏ハイキングコース。正規ルートとは異なる細い道がいくつもあり、以前から訪れた人が道に迷うケースがあった。
同コースに近い桔梗山で竹林整備をしている「山桜を守る会」(市川和夫代表)の会員も昨年2月の発足当初から、観光客に道を尋ねられることが多かったという。
そうした背景を踏まえ、鎌倉市と協働で観光ガイド「ぶらり鎌倉マップ」を作成している「鎌倉・文化の森」(瀧下嘉弘代表)で副代表も務めている市川代表が中心となり、「山道に迷うことなく、ハイキングを楽しんでもらいたい」と案内板の作成を企画した。
両団体は昨年4月、市民団体を支援するため資金援助するNPO支援かまくらファンドに応募。11月の審査を通過し10万円、また市から協働事業として15万円を調達した。
「ぶらり鎌倉マップ」をベースに作られた案内板のデザインは、一級建築士でもある市川代表が約500時間を費やし、コンビニやトイレ、バス停の位置、等高線を参考に谷戸の起伏も詳細に表現したもの。またホームセンターで木材を購入し、会員自ら柱を組み立て、縦1・9m、幅1・4mの案内板を完成させた。同コースの中心部、銭洗弁財天の坂を上りきった峠を左折し、200mほど高徳院寄りに進んだ場所に設置されている。
「周辺史跡も網羅した地図なので、スマートフォンの地図を見るのとは違い、歴史に思いをはせながら、ハイキングを楽しんでもらえれば」と市川代表。瀧下代表は「みんなの力で作った案内板。ぜひ見に来てください」と話している。
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