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万葉の情景、絵巻物で描く 今日から阿見さん個展

文化

掲載号:2019年11月1日号

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展示作品を手にする阿見さん(上)と巻子の一部
展示作品を手にする阿見さん(上)と巻子の一部

 市内在住の画家・童話作家の阿見みどり(82・本名:柴崎俊子)さんが11月1日(金)から5日(火)まで、「鎌倉に咲く 万葉野の花」と題した水彩画展を妙本寺(大町)で開催する。万葉集に詠まれた草花をモチーフとした作品を、20年にわたって発表してきた阿見さん。今回の個展では、初めて巻子(絵巻物)による作品も展示する。

 国語学者だった父のもと、幼いころから万葉集に親しんできた阿見さん。自らが設立した出版社「銀の鈴社」での仕事のかたわら、万葉集に登場する草花を水彩画で描き続けてきた。

 作品は個展での発表のほか、カレンダーや画集としても発売され、人気を博している。

 今回の個展では、自身初となる巻子(絵巻物)による作品に挑戦した。阿見さんは「中学生の時に見た『鳥獣戯画』の、物語が展開していく感じが好きだった。巻物にすることで私が万葉集を読んだ際に思い浮かぶ情景を四季の移ろいとともに描き、子どもや外国の人にもわかりやすく伝えられたら」と話す。

 近畿大学名誉教授で文学博士の村瀬憲夫さんの監修も受けながら、4500首に上る万葉集の歌から100首を厳選。さらにそこから今回の個展に合わせて25首を選び、長さ約3メートルの巻物(上下巻)に、歌とともにそこに詠まれた風景や人々の姿を描いた。

 今後は1年ごとにテーマを決めた新作を発表し、3年後に全4巻で完成させる予定だ。

 くしくも会場となる妙本寺は、鎌倉時代に仙覚という学僧が万葉研究の拠点とした場所。その成果は、現在の研究や出版物のベースとなっている「西本願寺本写本」として伝わっている。

 阿見さんは「新元号『令和』の出展となるなど、例年以上に注目が集まるタイミングに、万葉集とのゆかりが深い妙本寺で個展ができることは本当にうれしく、何か目に見えない力に導かれたような気がしている。自然への賛歌、天皇から庶民までの心情を伸びやかに描いた万葉集の魅力を、多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 会場は同寺書院。期間中は巻子のほか掛け軸、額絵、屏風など58点を展示予定。開催時間は午前10時から午後5時(初日は午後1時から、最終日は3時まで)。

 問い合わせは銀の鈴社 【電話】0467・61・1930(水・日・祝休み)。

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