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鎌倉版 公開:2020年1月10日 エリアトップへ

新春市長インタビュー 「広域連携で課題解決へ」 ごみ処理施策など語る

政治

公開:2020年1月10日

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質問に答える松尾市長
質問に答える松尾市長

 タウンニュース鎌倉編集室では2020年の年頭にあたり、恒例の市長インタビューを行った。1月1日号に続く第2弾で、今回は逗子市、葉山町との広域連携へと方針を転換したごみ処理施策や大きな被害を出した台風被害への対応などについて松尾崇市長に聞いた。

 ――ごみ処理施策について伺います。昨年3月末に「焼却施設は市内に作らない」とする方針を、11月には逗子市、葉山町との広域化実施計画の素案を発表しました。素案のなかでは「25年度以降、可燃ごみは逗子市の施設で焼却する」としています。その理由を教えて下さい。

 「山崎に焼却施設を建設したいと進めてきましたが、住民の皆さんとの話し合いは平行線が続いていました。名越の焼却施設も停止時期が決まっていますから、幅を広げ検討するなかで財政面、環境面、安定性という三側面から評価を行い、新たな焼却施設を建設せずにゼロ・ウェイストを目指していくことが可能な状況になっていることから判断しました」

 ――広域化によるメリットは。

 「一番のメリットは財政面です。スケールメリットを生かしてごみ処理の課題を協力して解決できることです。これまでは自分の市以外で、処理すると費用が非常に高かったんですが、ごみ全体が減ってきているなかでかなり費用が下がってきています。そんな時に逗子市の焼却施設に多少余裕があったため、焼却の可能性について検討を進め、2市1町での広域での実施計画の素案を作る段階まで来ました」

 ――逗子市の施設での処理も25年度から10年程度の期間となっていますが、その後についてはどのようにお考えでしょうか。

 「世界的に見ても、日本は、ごみ焼却炉の数が非常に多いという状況があり、今後より広域で処理を進める流れがあると認識しています。まず2市1町でできる限りのことをやり、その先においてはさらなる広域処理や民間施設の活用を考えていくことができると思います」

 ――自区内に焼却施設がないと災害時にごみの処理ができないのでは、と懸念する意見があります。

 「そういった不安の声を今回とても多くいただいていますが、災害時は日本全体で『D.Waste-Net(Dウェイスト・ネット)』という被災地で処理できない分を他自治体が担うという仕組みがあります。また市独自で県内の他自治体や姉妹都市と災害時での協定を結んで、飲料水の提供や職員の派遣を交互に行っています。このような仕組みを活用し、お互い助け合うなかで対応していくことができます」

「樹木の管理が重要」台風被害防止へ仕組み作り災害対応

 ――昨年は2度の台風直撃で大きな被害が出ました。被害が大きくなった理由や今後の対策について教えて下さい。

 「15号で倒木が558件発生し、これまでにない被害になりました。鎌倉は1時間に50ミリを超える降雨があり、また、短時間で強風の風向きが大きく変わるなどの諸条件が重なったと考えています。被害を防ぐには日ごろの管理が重要です。来年度は緑の基本計画を改訂しますが、そのなかで樹木の維持管理をより重要なものと位置づけて取り組んでいきます。鎌倉みどりのレンジャーという樹木の処理をやっていただいている団体がありますが、より多くの人に参加してもらう仕組みも必要だと考えています」

 ――ハイキングコースの再開見込みは。

 「市が紹介する3つのコースのうち葛原岡・大仏コースについては今年の6月までの再開を目指しています。また天園については瑞泉寺側から天園までを除いた部分の開通を目指しています。祇園山のハイキングコースについては被害が大きくめどが立っていません」

北鎌倉隧道

 ――通行止めが続く、北鎌倉駅そばのトンネルの現状について教えて下さい。

 「昨年9月と10月に安全対策工事に関する説明会を開催して、ご意見を伺ったところです。関係地権者の方にもご意見を合わせて伺っていまして、これらを参考に1月末をめどに工法を決定し、関係地権者の了解が得られれば、詳細設計の後に工事に着手していく予定です。まずは関係地権者の了解をいただけるように最大限努力していきます」

マナー条例

 ――食べ歩きや車道での写真撮影などに注意を呼びかける「マナー条例」を施行しましたが、意義と成果について教えてください。

 「条例制定によってさまざまな議論が起きています。小町商店会ではリサイクル可能なごみ袋を配布したりみんなでまちをきれいにしようという機運が高まっていることは一定のいい方向にいっているのではと感じています」

 ――今後、罰則などを設ける可能性もあるのでしょうか。

 「罰則よりも食べ物などを売っている事業者等の責任についてもう少し踏み込んでいくことや周知も含めてマナーを守る機運をどう醸成していくかが大切だと思います」

世界遺産登録

 ――世界遺産登録についてですが、これまで行ってきた4県市での推薦書案作成を中止しましたが、今後、どのように進めますか。

 「4県市での推薦書案の作成は休止しますが、鎌倉市として調査、研究は引き続き取り組んでいきます。ただ、すぐ実現できる状況ではなく、中長期的な目標として世界遺産登録を目指し、今後も歴史的遺産と共生するまちづくりを進めていくことが肝要だと思います」

 ――登録を目指す考え自体は変わらないと。

 「そうですね」

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