コロナ禍で大会やコンクールへの出場機会を失った中学生・高校生たちが、新たな目標に向かって動き出している。今回取り上げるのは、全国大会常連として知られる県立大船高校新聞委員会編集部。対面による取材活動もままならず、部員の減少など様々な課題に直面するなかで「今できる形や方法」を模索しながら、学校新聞の発行を続けている。
創刊から36年の伝統を持つ学校新聞「大船高新聞」を年4回、行事などに合わせた速報性のある「かわらばん」を不定期で発行する同部も、2月末ごろからコロナ禍の影響を受け始めた。
毎年卒業式に合わせて発行している「卒業式号」は、印刷を普段の外部委託から急きょ校内印刷に切り替えて発行にこぎつけたものの、休校期間に突入したことで部活動も休止となった。
緊急事態宣言が解除となり、時差通学や短縮授業で学校生活は始まっても、思うように部活動ができない日々は続く。例年なら6月の文化祭「白帆祭」での新聞発行で3年生は引退となるが、文化祭そのものが延期に。7人の3年生の花道を飾ることはできなかった。
「全国」はウェブで
また出場が決定していた文化部の全国大会「全国高等学校総合文化祭」(高文祭)もウェブ上での開催に変更。現在は同大会の特設サイト「ウェブそうぶん」で、同部の紙面が公開されている(10月31日まで)。
ただ、本来は会場に代表部員が足を運び、他校の生徒らと組んだグループでテーマごとに現地取材を行って、約5時間で新聞を製作する。「他校の人との交流や知識を吸収できる機会がなくなってしまったことは残念」と部長の辻聡紀さん(2年)は話す。
「伝統つなげたい」
現在は10月23日に発行される新聞の製作が佳境を迎えている。しかし外部での取材ができない上に、普段は紙面を飾る同校生徒の活躍の機会そのものがないため、ネタ集めにも苦労している。
さらに彼らを悩ませているのが部員の減少だ。現在、2年生が2人、1年生が2人とぎりぎりの体制。間もなく下版予定の紙面も例年の12ページから4ページに縮小を余儀なくされた。
また、新聞社員から指導が受けられる県内の新聞部合同合宿も今年は中止となったこともあり、1年生はまだ先輩からしか新聞作りを学んだことはない。
こうした苦境にあっても、対面できなければメールや電話を使って取材を行い、取り上げるネタも「校内の感染対策」や「レジ袋の削減」など、今だからこその話題にこだわった。
辻部長は「全国大会に行き続けている伝統を絶やしたくない。今、できる形を模索しながら発行し続けたい」と話す。
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