イチゴ農家とビールメーカーがタッグを組み、「イチゴビール」が誕生した。市内で唯一のイチゴ農家・郷原啓介さん(35)が栽培するオリジナルブランド「紅静(べにしずか)」や、「べにほっぺ」を原料に、鎌倉ビール醸造株式会社(大町)が商品化。イチゴの香りが鼻腔をくすぐりつつも、ビールとしての苦味も備えた新作は、2月11日(金)から販売される。
イチゴビール誕生のきっかけは、2年前に遡る。鎌倉ビールの今村広太郎専務(35)が在籍する地元団体の鎌倉青年会議所(JC)に、郷原さんが入会し2人は出合う。今村専務の「イチゴでビールを作ろう」という呼びかけに、イチゴの可能性を模索していた郷原さんが賛同。新型コロナの影響で先延ばしとなっていたが、同い年の2人によるプロジェクトは年明けから動き出す。
鎌倉ビール社員たちが1月11日に市内笛田のイチゴ農園を訪れ、オリジナル品種・紅静が「最もおいしいタイミング」(郷原さん)で7・5キロを収穫。鮮度を保つため2日後には漬け込み、1カ月ほど発酵させてビールが完成した。
一般的に加工品となると、形や味が不揃いのものが使われる場合もあるが、イチゴビールを試飲した今村専務は胸を張る。「1番いいものを使わせてもらった。香りが楽しめ、甘すぎることなく、ビールらしい苦味もある」。一方の郷原さんも、「イチゴの可能性が広がった」と喜ぶ。
限定1500本酒店などで販売
11日から順次販売される「鎌倉イチゴ紅静ビール」は、330mlで770円(税込)。イチゴにちなんで1500本の限定販売。市内酒店やJAさがみわいわい市藤沢店などで取り扱い。
問い合わせは鎌倉ビール醸造【電話】0467・23・5533へ。
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