トマトにパンダ、あさり、こおろぎ、かつお--。共通点はないように見えるが、これらはすべて鎌倉市内にある公園の名前だ。動植物の名前がついた公園がいたるところにある一方で、地名に「〇丁目」とついた一般的な名称の公園も存在する。「公園(パーク)の日」とも呼ばれる8月9日に合わせ、鎌倉の公園の名称について取材した。
鎌倉市みどり公園課によれば、市内にある公園は大小合わせて255カ所。そのうち、動植物の名前を冠した公園は、170カ所ある。「原則として1000平方メートル未満の公園は、愛着を持っていただけるように、字名の後に親しみやすい生物名をつけている」と同課。それ以上の大きさの公園は、字名が基本で、紛らわしい場合は東西南北などを加えているという。
市担当課が命名
現在、命名を担当している市みどり公園課では、地域性などを踏まえてふさわしいものを選ぶようにしている。海が近い地域ならラッコやさざえ、緑豊かな地域ならもみじやひばり、他にもバナナやちゃぼ、ライラックなどの名も。
新設などのタイミングに合わせて、職員が案を出し、検討を行っており、「音の響きから『戸部』と『飛べ』をかけて『みつばち』になった公園もある。その時々の担当者のアイデアです」と明かす。
中には、公園名と同じ生物がモチーフになっている遊具などが設置されている場所も。一方で、「地域のシンボル的存在」だったハクモクレンを残して作られたという「山ノ内ハクモクレン公園」のように、公園にあるものを前提に命名されたケースもある。
全国で唯一とみられる公園名も複数存在する。「言われてみれば、確かに珍しい。父は以前から気になっていたようだ」と話すのは、「うみねこ公園」前を通学していたという20代女性。子どもと「いるか公園」を利用する30代男性は「海が近いからだとは思っていたが、市内にこういった名前の公園が多いとは」と驚いた様子を見せる。
市担当者は「市民から公園名について連絡をいただくといったことはないが、愛着を持って利用していただけているのでは」と話す。
市内の公園の名称や位置は、鎌倉シチズンネットが運営する「鎌倉なびマップ」で閲覧可能。
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