腎臓病患者の食事療法で必要となる栄養の計算管理。その負担を軽減させるため、検査データの蓄積や栄養計算のアプリを開発したのが、市内長谷の(株)トーチスだ。1月16日からは、腎臓病などの食事制限が必要な人向けの宅配健康食を販売するウェルネスダイニング(株)と提携し、アプリ経由での宅配食購入や、その栄養データを簡単に登録できるサービスもスタート。県の社会課題解決型起業支援にも採択されている。
腎臓病は、血液中の老廃物を尿と共に排出する腎臓の機能が低下する病気で、腎臓の働きが15%以下になると人工透析を行う必要がある。腎臓は、一度悪くなると回復できず、悪化を防ぐために腎臓病患者はたんぱく質や塩分、カリウムを制限した食事療法が日々必要となる。
きっかけは母の姿
「10年以上前から母も食事療法をやっているが、栄養計算ノートに手書きで記録し、患者向けのレシピも調べて作ってきた。腎臓病になってから、これをずっと続けなければならないのはかなりの負担」と松岡大輔代表(31)は話す。
自身の母の闘病姿から「患者や家族らの負担を軽減したい」と専用アプリを開発。現在リリースしているのは、検査結果を入力するとグラフで推移が確認できる「じんぞうグラフ」、3千以上の食材や料理の登録データから食事の栄養を簡単に記録・管理できる「栄養ビジョン」の2つ。栄養ビジョンは、腎臓病に特化した栄養素を登録すると、1日分の基準値との比較もできる。会員登録不要で、ダウンロード無料。説明を見なくても直感的に操作できるデザインにするなど、使いやすさを念頭に置いた。
自炊以外の選択肢を
今回始めたサービスは、これらのアプリと宅配健康食の連携だ。「宅配食という選択肢もあると知ってもらえたら、食事作りの大変さも軽減できるはず」と松岡代表。
提携先のウェルネスダイニングでは、管理栄養士監修の腎臓病患者向け宅配食7食セットを冷凍で配送。アプリには宅配食のデータが登録されており、細かな栄養素を登録する手間も省ける。
「神奈川県は1人あたりの医療費で腎不全が最も高いというデータもある。人工透析は医療費も高く、週3日で1日7時間という通院も負担。人工透析が必要とならないための手助けになれば」
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