現役高校生による「高校生ミュージカルAqua(アクア)」が3月30日(土)、新堀ライブ館(藤沢市)でオリジナル劇の初上演に挑戦する。企画や運営、制作、全て自分たちが主体となり、苦労を重ねてきた。思うように進まずに悩み、ぶつかり合いもした。でも、向く方向は同じだ。「最高のパフォーマンスで舞台を成功させたい」と稽古も熱を帯びている。
Aquaは昨年4月、鎌倉市在住の小泉梨乃さん(湘南高校2年)の発案で発足。幼い頃から歌やダンスが好きだったが、高校にミュージカル部はない。ならばゼロから作ろうとSNSで発信したところ、腰越中の同級生だった浅川花和さん(鎌倉高校2年)が共鳴した。中学の吹奏楽部で音楽を好きになり、「顧問の言葉に救われた」経験から言葉の力にも惹かれるように。音楽と言葉で伝えるミュージカルに興味が沸いたという。
2人が共同代表となり、中心メンバーは11人。週3〜4日ほど稽古場に集まり、歌や踊りなどそれぞれが得意な分野でアドバイスし合う。
ただ、全てが手探りのため何度も壁にぶつかった。メンバー同士では演技の正解が分からない。舞台には音響や照明、演出などの裏方も必要だ。活動資金も欠かせない。
「舞台を作るのがこんなに大変なものだと思わなかった」と浅川さん。現在は、演技指導のほか、大道具制作や舞台運営のノウハウも他団体などから学び、資金調達のためのクラウドファンディングを18日(月)まで実施している。
「最初は自分たちだけでと思っていたけれど、色々な人が力を貸してくれる。学校だけでは得られない経験で人生観が変わった」と小泉さん。
テーマは同調圧力
集大成となる劇のタイトルは『魔女裁判と不思議な遊園地』。脚本原案は一同でアイデアを出し合った。「やりたいことを続ければ形になる。公演を通じて一歩を踏み出せないでいる人にきっかけを与えられたら」
公演は午後2時と6時30分からの2回。会場は藤沢駅徒歩5分の新堀ライブ館楽友ホール。全席自由で大人2千円、高校生以下千円。
次年度のメンバー募集は、今後SNSで予定。
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