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鎌倉版 公開:2012年1月1日 エリアトップへ

復興支援に立ち上がる市民 震災から約10ヵ月 支援も転換期に

社会

公開:2012年1月1日

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海岸清掃の様子(山口貴大さん撮影)
海岸清掃の様子(山口貴大さん撮影)

 昨年3月11日の大震災後、鎌倉でも「何か行動しよう」という動きが各地で起こった。

 震災後、市役所や市社会福祉協議会、鎌倉NPOセンターなどに支援物資を持ち寄る人や、ボランティア活動を希望する人が続々と訪れた。現在、いずれも支援物資は受付けていないものの、何か活動したいという人に団体を紹介するなどの支援をしている。

 NPOセンターで把握しているだけで、復興支援に関わっているのは約40団体。うち3分の1程度が震災後新たに立ち上がったものだ。

 支援団体は大きく分けて3つに分類できる。被災地入りしてがれき撤去など直接的な支援を行う団体、市内への避難者を支援する団体、物産展などを行い経済面の支援を行う団体。一部ではあるがこれらの団体を紹介する。

定期的に現地へ

 被災地入りして活動を行っている団体の一つに「七里ガ浜発・七ヶ浜復興支援隊(中里成光代表)」がある。

 これは地名の似ている宮城県七ヶ浜町を支援しようと5月に立ち上がった団体で、月1回、ボランティアバスを企画し、がれき撤去や催し物など現地のニーズに合わせて活動している。

 中里さんは「少しずつ被災地も片付いてきて、海にも人が見られるようになった」とし、今後の活動は3月を目処に見直す予定だ。

避難者を支援

 市内に避難してきている被災者の支援を行う団体の一つに「柞(ははそ)の森音楽祭実行委員会(堀部隆二委員長)」がある。同委員会は主に市内手広の西ヶ谷団地への避難者の支援を行っており、これまで月に2回のペースで交流会を行ってきた。

 堀部さんは「始めのうちは元気がなく、話すたびに涙を目に浮かべる人もいた。でも、交流会を重ねるうちに明るさを取り戻してきた」と避難者の変化を話す。また、「これまでは生活支援が中心だったが、今後は末永い友達として、共にコミュニティを形成していきたい」と活動意識の変化についても語った。

現地で雇用創出

 被災地の経済復興のため、現地での雇用創出を目的とする「女川カレープロジェクト」。

 宮城県女川町の炊き出しで作っていたカレーを「女川カレー」として商品化。最終的には同町で製造を行い、3千食の販売で2人の雇用が生まれる仕組み。現在、同町に建設中の仮設商店街の中に、女川カレーの工場も入る予定だ。

 同プロジェクトに関わっている団体・ちきゅうの子22の蓮見洋平さんは「今後も女川カレーの販路拡大を続けていく。震災関連商品としてではなく、一商品として定着していって欲しい」と話す。市内ではアナン(株)(極楽寺)で購入可能。

物産展で経済支援も

 市内で東北物産展を行って支援を続ける団体の1つが「Share Heart KAMAKURA(梅津加代子代表)」。市内を中心に復興支援のイベントや祭りなどで被災地にある8つの障害者施設の授産品や、現地の名産品などを販売している。

 梅津さんは「息の長い支援で、鎌倉の人に忘れ去られないように定期的に物産販売を行いたい」と話す。

団体同士で情報交換を

 NPOセンターの渡邉公子さんは「震災発生以来、被災地には全国各地から多くの支援物資が届いているが、半年以上経った今、その支援が東北の経済活動を圧迫している側面がある」と話す。届けられた支援物資だけで生活ができてしまい、商店を再開しても商品が全く売れない事が問題になっているという。

 「一方的な支援の段階は終わっている。現地のニーズをしっかり吸い上げるのが大切」と渡邉さんは支援活動をする人に呼びかける。

 また、ボランティア情報の交換の場として「かさぼネット」が10月から始まった。フェイスブックのページに活動報告、物資や資金の募集を参加者が各自で掲載していく仕組み。

 支援団体などがつながりを持つことを目的にしており、これまでに2回会議を開催。今後は、今回の震災の経験を活かして、地域の防災についても考えていく方針だ。
 

西ヶ谷団地の交流会(7/12撮影)
西ヶ谷団地の交流会(7/12撮影)
女川町カレーの炊き出し(提供:ちきゅうの子22)
女川町カレーの炊き出し(提供:ちきゅうの子22)
東北物産品の販売(提供:Share Heart KAMAKURA)
東北物産品の販売(提供:Share Heart KAMAKURA)

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