鎌倉市は2010年度から、国民健康保険や固定資産税など市民生活に関わる情報をはじめ、市の財務会計などを管理する基幹システムの変更に着手している。
これまでは市は、高い演算能力を持つ「ホストコンピューター」ですべての情報を管理運用していた。しかし、同コンピューターは約30年前のシステムであり、それに対応する技術者不足とシステムの老朽化から、維持管理にかかる多額の経費が問題となっていた。そこで市は、経費削減や業務効率化などの理由で基幹システムを変更することになった。
新システム移行後の維持経費、いわゆる「ランニングコスト」は市情報推進課によると、年間で現在の3億7400万円から約2億8600万円と、約8800万円削減できるという。新システム構築の経費総額は7億8600万円。
ホスト一括から個別へ
今後、国保や税、財務会計、住民記録等の情報を別々の独立したシステムで管理運用することになる。
国保については、今年4月にすでに新システムが稼働。固定資産税などの税に関わるシステムは、現在、新システムへの移行作業を行っている最中だ。
財務会計システムは2013年度以降に順次移行、稼働する。
国保や納税情報など複数のデータ連携を必要とする住民記録等の情報は、16年度後半までに新システムへ移行し稼働する予定だ。これによりすべての情報移行が完了することになり同年度、現在のホストコンピューターは廃止となる。
3・11の影響も
新システムへの移行は、以前から計画されていたが、「3・11」以降、前倒しで作業が進められている。情報推進課によると、地震発災後の「計画停電」が、その発端だったという。
ホストコンピューターが設置されている材木座3丁目の施設には応急電源がなく、同地区停電時に市内で各証明書などの発行ができなくなる事態が発生。また、施設所在地が、津波浸水予想地域であることも、作業を加速させた要因という。
新システムへの情報移行における「安全管理」について同課は「万全の態勢を敷いている」と話す。作業は委託業者の社員が行うが、最終的には市職員がすべてチェックする。
個別のシステムに移行後は、各システムごとに専門知識を有する職員が配置され、安定運用を確保するという。
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