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鎌倉版 公開:2014年10月24日 エリアトップへ

公共施設再編が本格化 市、今年度中に計画策定

公開:2014年10月24日

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2つの教室を「多目的室」として市民に開放している第一小学校(由比ガ浜)。市の公共施設再編計画では地域の拠点校で「複合化」を進めるとしている
2つの教室を「多目的室」として市民に開放している第一小学校(由比ガ浜)。市の公共施設再編計画では地域の拠点校で「複合化」を進めるとしている

 鎌倉市は公共施設の再編計画を進めている。市が保有する施設のうち6割以上は建設から30年以上が経過しており、今後、大規模な改修や建て替えなどに多くの費用が見込まれる。その一方、少子高齢化により使える経費は少なくなることが必至。そこで一つの施設に様々な機能を持たせる「複合化」を進め、施設の数そのものは減らすなどして、統廃合を進める。今後40年間でコストを半減させることが目標だ。

6割超が築30年経過

 1974年度建設の「レイ・ウェル鎌倉」(小袋谷)が昨年11月、1975年度建設の老人いこいの家「こゆるぎ荘」(腰越)が今年8月に、相次いで利用中止となった。いずれも耐震診断で、強度不足が明らかになったことが理由だった。

 市内には現在、市役所本庁舎と4カ所の支所、学校や図書館、スポーツ施設など約230の公共施設がある。その多くは前述の2施設と同様に高度経済成長期前後に建てられたもので、築30年以上を経過した施設は全体の約66%を占める(延べ床面積による計算)。

 1981年以前の旧耐震基準で建てられ、現在も耐震補強などが行われていない施設も2割ほどあり、今後、公共施設の大規模な改修や建て替えが集中することが予想される。

 一方で少子高齢化により、2030年度、市の人口は16・3万人と10年度に比べ1・1万人(約6%)減少し、高齢化率は30%を超えると推計される。

 税収が減少する半面、福祉にかかる費用が増加し、施設の維持管理に使える経費はますます少なくなる。

 こうした状況を受け市は、2006年度に庁内で公共施設再編の検討を開始。12年3月には「鎌倉市公共施設白書」を作成、13年4月には「公共施設再編計画基本方針」を策定した。

 さらに今年は2月と6月に市民ワークショップを開催。2014年度中の「公共施設再編計画」の策定に向けて素案が示され、9月17日から10月16日までの1カ月間、意見公募(パブリックコメント)を実施した。10月1日から6日まで市内5カ所で素案の説明会が開かれ、のべ45人の市民が参加した。

複合化で拠点集約

 市の試算によれば、数や規模が現在のままの場合、2053年度1年間で施設の維持管理に必要な経費は49・5億円。これは直近6年間の平均(17・4億円)の約2・8倍に上る。市は施設の再編により今後40年間にかかるコストを半減させ年間の費用を24・7億円に抑え、累計で990億円を削減する目標を掲げる。

 そのため施設の統廃合も進める。キーワードとなるのが「複合化」だ。

 特に5つの行政地域ごとに小中学校1校を「拠点校」とし、図書館や集会室など、現在は別々の施設に設けられている類似の機能を集約。「多世代が多目的に使用できる施設」とする。

 また各種証明書の交付をコンビニで受けられるようにするなど、民間と協力する分野を広げたうえで、業務を見直し、支所機能などは縮小する。こうした取り組みにより拠点の数を減らしていく計画で、総延べ床面積を現在の約32・0万平方メートルから40年後には約22・9万平方メートルに減少させるとする。

 計画素案の市民向け説明会では、小学生の母親から「複合化で不特定多数の人が学校に出入りするようになり児童の安全が脅かされないか」といった声や「コストダウンだけが目的になっているように感じる。行政サービスの質を下げないことが第一」「施設を資産としてもっと有効活用するべき」などの意見が出された。これに対し松尾崇市長は「目標を達成するためにあらゆる知恵、工夫を出していく。公共施設がどうあるべきか、市民も一緒に考えてほしい」と話した。

昨年11月に閉鎖された「レイ・ウェル鎌倉」。跡地は売却する方針だ
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説明会で市民の質問に答える松尾市長ら
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