昨年4月から改装工事のため閉館していた長谷寺宝物館が、10月18日(日)正午、「観音ミュージアム」としてリニューアルオープンする。同寺文化財室主任学芸員の三浦浩樹さんは「多くの人に親しんでもらえる施設になれば」と話している。
長谷寺の宝物館は同寺が所蔵する文化財の保管と展示を目的に観音堂の脇に設置されたもので、今年で開館35周年を迎える。館内の老朽化などを受け、昨年4月から改修工事を行い、このほど「観音ミュージアム」にリニューアルした。
全面改築した内部には、約200平方メートルの展示面積を最大限に活かすため、デジタル機器を導入。長谷寺の由緒を解説する映像上映のほか、十一面観音像の顔の実物大の画像投影、好きな角度から観音像を観察できるタッチ画面「観音パノラマ」など、多様な仕掛けが盛り込まれている。
また、1950年代に国の重要文化財に指定されてから奈良国立博物館に2面、鎌倉国宝館に1面を寄託していた「十一面観音懸仏」は、約50年ぶりに長谷寺に戻り、6面全部が揃った。この懸仏は直径70〜80cmほどで、神の憑代である鏡面に仏像があしらわれており、神仏習合の歴史を物語っているとされる。
ほかにも宝物館開設前は観音像の周囲に安置されていた33体の仏像からなる「三十三応現身像」や関東大震災で崩れ落ちた十一面観音像を装飾していた「雲形光背」の再現なども、常設展示として公開される。
同ミュージアムの竹石元美館長は「『長谷観音』の霊験について、国内の人はもとより、海外の人にも平易に紹介、発信できる施設づくりを目指していきたい」と話している。
オープン展を開催
観音ミュージアムは10月18日(日)から来年3月28日(月)まで、オープン展「長谷寺・仏教美術の至宝―彫刻編」を開催する。木造如意輪観音坐像など、同寺ゆかりの仏像彫刻が展示される。
入館料は中学生以上300円、小学生150円。19日以降は午前9時から午後4時30分まで。12月29日〜31日は休館。問合せは【電話】0467・22・6100同館へ。
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