鎌倉芸術館や鎌倉女子大学、ショッピングセンターが立ち並ぶ一角にかつてあった松竹大船撮影所。1936年に開所して今年で80年になった。
当時の面影は交差点や橋にその名を残すのみだが、かつてここは日本映画の黄金期を支えた場所だった。
多くの名作生む
松竹大船撮影所は戦後、日本映画の黄金期を支える撮影所として数々の名作が生まれた。
「東京物語」(53年)で知られる小津安二郎監督をはじめ、木下惠介監督、大島渚監督らが次々と作品を世に送り出し、山田洋次監督・渥美清のコンビによる「男はつらいよ」シリーズも撮影された。
特に庶民の日常を丁寧に描いた小津監督の作品群は「大船調」という言葉を生み出し、現在も世界中の映画関係者に多大な影響を与え続けている。
「映画のまち」復活を
1995年には敷地の一部にテーマパーク「鎌倉シネマワールド」がオープンしたものの、3年で閉鎖。大船撮影所は2000年、64年におよぶその歴史に幕を閉じた。
そんな「映画のまち大船」を取り戻そうと昨年、大船まつりのパレードに加わる形で映画仮装パレードが初開催された。当日は「寅さん」や「マリリン・モンロー」らに扮した参加者が街を練り歩き、沿道に集まった人々を楽しませた。
今年は撮影所開設80周年。企画する市民団体「チームサムライ」(大津定博会長)の関係者は「約200人が参加予定。『大船は映画のふるさと』と多くの人に知っていただき、見る人も参加する人も一緒に楽しめるパレードにしたい」と意気込んでいる。
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