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鎌倉版 公開:2021年1月1日 エリアトップへ

「ちょっとした発言」が膨らんで5年 「玉繩桜100年の杜」事業実現へ

社会

公開:2021年1月1日

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大船フラワーセンターの玉縄桜
大船フラワーセンターの玉縄桜

 鎌倉に一足早い春の訪れを告げる「玉繩桜」。その桜を「地域のシンボルとして大船・玉縄地区を中心に植樹を」という5年の歳月をかけた鎌倉大船ロータリークラブ(RC)の計画が今年実現しようとしている――。

 「大船・玉縄のランドマークに」と2年前、大船観音寺に最初の植樹をしてから、新たな候補地を検討してきた同RC。県との折衝で鎌倉植木の県道沿いが候補に挙がり、「玉繩桜が故郷を飾る姿に期待したい」と植樹が決定したという。

 また会員でもある成福寺への植樹後、近隣の神社にも植樹する予定となった。病院・公園・学校への植樹も検討中で「まだ幼木だが、1年後には新しい風景を創り出すはず」と同RC。

鎌倉生まれの桜を知ってから

 計画の発端は、約5年前。例会で意見交換をする中で玉繩桜の普及の話が挙がった。「その時、初めて玉繩桜を知った会員も多く、その後も例会の度に玉繩桜の話題が膨らんでいった」と石井昭二郎会長は振り返る。

 まずは情報を集めようと、県立フラワーセンターの園長を例会に招き、玉繩桜の勉強が始まった。

 同園でソメイヨシノの実生から生まれたという玉繩桜の特徴は、早咲きで長く楽しめること。DNA解析によれば、カンザクラとソメイヨシノの自然交配で生まれたとされ、1月中頃から3月中頃まで咲き続ける。色は、カンザクラ系のような赤みの強いものではなく、ソメイヨシノに近い淡い色をしている。

 知識を得るにつれ、「大船地域で活動する私たちの事業として、玉繩桜を普及できないか」と考え始めたという。

入手困難な苗木

 だが、その苗木の入手方法が難題だった。玉繩桜はフラワーセンターで育成され、1990年に品種登録されたが園芸品種として流通しなかったため、簡単に購入できなかったという。

 経営が指定管理者制に移行したてのフラワーセンターへの依頼は難しく、大船エリアを中心に玉繩桜を数百本植樹していたボランティアグループも既に活動は中止。台木に接ぎ木する苗木づくりは素人には難しく、比較的簡単とされる挿し木でも成功率は約1割と分かった。「自分たちでは当然無理。ですが、諦めずに探してみるものですね。市内の植木屋さんが『大船の街のためなら』と分けてくれたんです」

 さらに、フラワーセンター改修中に育苗を担っていた海老名の県立かながわ農業アカデミーからも「一部を提供できる」と協力が得られた。「まるで桜の生命力に導かれたかのようだった。ようやく苗木の入手に一定の目途がついてホッとした」

「玉繩桜に目を向けて」

 鎌倉大船RCの活動の1つとして進められてきた「玉繩桜100年の杜」事業。石井会長は「私たちが植樹を実現できたのは、玉繩桜に興味を持った人々の種を残していこうとする熱意と努力の繋がりがあったからこそ。鎌倉でソメイヨシノに近い色をした早咲きの桜を見つけたら『あれが玉繩桜かな』と思ってもらえたら」と話した。

プロジェクトのシンボルマーク
プロジェクトのシンボルマーク

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