今月5日に開所した「奈良消防出張所」の所長に就任した 細井 久雄さん 46歳
帰ってきた救助のエキスパート
○…今月から奈良・こどもの国エリアの防災・防火の拠点を担うリーダーに。同地区とは縁が深く、かつて鴨志田出張所の救助隊員・所長として、それぞれ約2年間駐在。消防局で奈良出張所の新設・整備に携わった後、この地へ再び戻ってきた。自身が手がけてきた出張所だけに、「ただならぬ特別な思いがある。また戻って来られて嬉しい」と目尻を下げる。顔なじみの住民からは、『戻ってきたんですね。おかえりなさい』。着任早々に声を掛けられ、すでに出張所の顔として定着しつつある。
○…保土ケ谷区の出身。よく通る声で屈託なく話すその姿からは想像し難いが、「おとなしくて目立たない存在」と幼少期を振り返る。控えめな少年を、頼もしいリーダーへと変えたのは、野球との出合い。高校では主将を務め、チームプレーや継続することの大切さを学んだ。リーダーシップを発揮するうちに「仲間と力を合わせて人の役に立ちたい」。自ずと消防士を志願。「育った横浜で働きたくて、無謀にも受けた採用試験は消防署だけ」と笑う。
〇…当初は消防隊として消火活動に携わっていたが、ある交通事故をきっかけに、救助隊を志すように。通報を受けて現場に駆けつけるものの、機材が足りず救助ができなかった。事故車両に挟まれた運転手を目の前に、「救助隊を待つことしかできない自分がもどかしかった」。その後、厳しい訓練を積み重ね、救助のエキスパートに。救助の技術を競う大会では、関東代表として全国大会へ出場するほどの成長を遂げた。
○…出張所に程近い町田市からバスで通勤している。完成を待ち侘び、建設中の出張所まで50分掛けて歩いたことも。家族と買い物で付近を訪れた時も、街の安全を注視する。「皆さんが安心して暮らせるよう、出張所内での防災・防火活動を積極的に行いたい」。震災後、市民の防災意識の高まりを受け、その期待に添うべく、使命感に燃えている。
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