先月の『防災のつどい』でコーディネーターを務めた 佐藤 榮一さん 美しが丘西在住 69歳
折り目正しい男のリーダー
○…防災アドバイザーとして、区内ほか全国各地の講演会を飛び回る。市内の消防署長などを経て、消防庁大学校の講師など、所属する団体は数知れず。一昨年の秋には、長年の功績が称えられ、瑞宝双光章を受賞。周囲からの信頼も厚く、『もっと話が聞きたい』と講演後も引っ張りだこ。「防災だけでなく、社会福祉など、青葉区に根ざした貢献活動をしていきたい」。
○…「想定外を想定する」。消防署長や救助隊の教官として指揮を執る中、40年間、訴え続けてきた言葉だ。「消防士にとって想定外とは、殉職するということ。その覚悟が無ければ人命を預かる資格は無い」。きっぱりと言い切るその表情には、厳粛さと確固たる信念が伺える。基本設計に携わった戸塚の消防訓練センターでは、当時では斬新な訓練設備を導入。「想定外」に備える施設に仕上げ、全国の先駆けとなった。
○…出身は北海道室蘭市。学生時代はボート部や陸上チームに所属し、1500m競走では国体の選手候補生に選出されるほどエネルギッシュ。実は幼少期は身体が弱く、母親のすすめで絵画を学んだ。夜を徹して夢中になって描き、プロのイラストレーターとしての一面も。「消防車やヘリコプターを写真以上に描く精密画が好き」。消防署のポスターも自ら手がけるほか、江田の陶芸教室での絵付け指導など、芸術の分野でも活躍を見せる。
○…12年前、「憧れの街だった青葉区」へ。「元石川おやじの会」の顧問として、住民らと地域防災に尽力する。会に所属する若い親に、言動や所作で伝えているのは、勇敢で折り目正しい”男の格好良さ”。『何でお父さんは消防団に入らないの?』。そう子どもに言わしめる”おやじ”を育成する。「会から消防団に入る若者が多いことが自慢でね。全国の講演会でも素晴らしい事例として伝えているんですよ」。今月で御年70歳―。優れた指導者、人格者として更なる挑戦が続いている。
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