南区民のうち、大規模災害時の避難場所となる「地域防災拠点」の場所を分かっている人が約半数であることが明らかになった。3月下旬に発表された2012年度の市民意識調査の結果で判明したもの。拠点の場所が分かる人は前年度より増えたものの、依然として半数程度であることから、南区役所では区民へ啓発を続けたいとしている。
市民意識調査は、政策立案や市政運営に役立てようと、市が毎年行っているもの。調査は昨年5月から6月に行い、20歳以上の2314人から回答を得た。このうち、南区民は145人。
市政への要望などの通常の項目に加え、災害への備えについても質問された。
地域防災拠点の認知度について、「知っているし、場所も分かる」とした人が市全体では57・3%だったのに対し、南区回答者は51・7%にとどまった。区別では中区(36・6%)、旭区(49・7%)に次いで3番目に低い。11年度の同調査では南区民で「場所も分かる」と回答したのが34・5%だった。1年間で約17ポイント高くなったが、市全体の認知度は34・4%から約23ポイント高くなっており、南区の認知度は市全体を下回った。
地域防災拠点は、震災による家屋倒壊などにより、自宅での生活が困難な時に避難生活をする場所。南区内では小中学校25カ所が地域ごとに指定されている。
関心低下を危惧
地域防災拠点では、町内会が中心となって訓練が行われている。今年、ある地区の訓練に参加した町内会長は「毎年、参加者の顔ぶれがほとんど変わらない」と話し、拠点に対する関心が高まっていないとしていた。別の町内会長は「炊き出しなどの形式的なものが多く、拠点を開設するまでの訓練をしなければ、本当の役割を理解してもらえない」と拠点の場所を分かっているだけでは、避難後の運営がスムーズにいかないと危惧している。
避難場所は6割認識
調査では、大規模火災で避難している学校などが危険になった時に避難する「広域避難場所」の認知度についても聞いた。南区に関係する場所ではY校・蒔田公園一帯など、10カ所が設けられている。
「場所も分かる」は市全体で55・1%だったのに対し、南区は59・3%で市内で6番目に高く、地域防災拠点との差が出た。
掲示板で告知へ
区では、これまでも広報や「区民生活マップ」などを通し、拠点の場所や役割を伝えてきた。災害対策を管轄する区総務課は「今年度、自治会・町内会の掲示板にその地域の防災拠点を知らせるプレートを設置する予定」と話し、拠点を知ってもらうための対策を進めていきたいとしている。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|