南区役所が行った生活保護受給者に対する就労支援の取り組みにより、2013年度の就職者が12年度に比べて1・5倍に増え、約4800万円の保護費が抑制できたことが分かった。生活保護の申請前から就労支援を積極的に行ったことが抑制につながった。これらの独自の取り組みが市の模範として評価され、1月22日に「チーム横浜市長賞」を受賞した。
南区の生活保護受給世帯は増加傾向が続いている。12年4月時点で5540世帯だったが、13年12月は5873世帯に増加。受給世帯数は市内18区で中区に次いで2番目に多い。12年度の受給総額は134億3588万円だった。
最近は企業を解雇され、生活保護を受けるようになった人も多く、南区役所は働く意欲ある人の就職支援に力を入れている。6人の「就労支援専門員」が対象者の要望を聞きながら、履歴書の書き方などを指導している。
区保護課は「これまでは受給者の生活が落ち着くのを待って、受給開始3カ月後をめどに就労支援相談を始めていた」と話す。しかし「3カ月を過ぎると働く意欲がなくなる人もいて、効果的な支援ができないこともあった」という。そこで、今年度から専門員の支援開始時期を早め、生活保護申請の相談時から始めるようにした。
就職者1・5倍
これにより、12年度は1765人だった就労支援対象者が13年度は12月までの9カ月間で2018人に増えた。実際に就職できた人も12年度の213人に対し、13年度はこれまでですでに221人に増えた。12年度の同時期と比べると約1・5倍に増加している。
就職したことにより、生活保護を受けなくなったことで削減できた保護費額は12年度が約8100万円。13年度の削減額はすでに1億2288万円に達し、12年度の同時期との比較で約4800万円増えた。
取り組みが市長賞
早期支援による就職者増加や保護費抑制が評価され、南区役所は市から「チーム横浜市長賞」を受賞した。同賞は市職員行動基準に沿った顕著な取り組みを表彰するもの。今年度は南区を含む6部署が受賞した。
南区保護課の遠藤文哉課長は「受給者の生活の立て直しと就労支援を並行して進めたい」と話し、今後も対象者からの聞き取りをこまめに行い、効果的な支援方法を探っていく。
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