23年度予算 生活保護費 12.6%増に 受給世帯、全区で増える
今年1月現在、横浜市内で生活保護を受けている世帯の数は、前年同月と比べて全ての区で増加。これを受け23年度予算案の「生活保護費」が12・6%増(前年度比)になるなど、苦しい財政をより一層、圧迫する状況になっている。
今年1月現在、横浜市内で生活保護を受けているのは4万7255世帯(6万4943人)で、前年同月と比べて8・8%の増加。市内すべての区で増加している(左表参照)。南区は5225世帯で、1年前に比べて約1割増えた。
市健康福祉局生活福祉部保護課では「(増加傾向は)少し前の”リーマンショック”の時より若干、落ち着きつつある」と分析する。しかし最近では、受給者数が雇用情勢に左右されやすい市中心部よりも、市北部エリアでの増加傾向が顕著になってきており「依然厳しい雇用の状況に加えて、市内世帯の高齢化(無年金・収入の大幅減)なども背景にあるのでは」と話す。
こうした影響は市財政にも波及し、23年度の一般会計予算案では『生活保護費』として1221億2600万円が計上されている。これは22年度予算(1084億3000万円)の12・6%増、金額にして約137億円の歳出増加となっており、他の社会保障費などとあわせ市の財政をさらに圧迫する要因となっている。
ケースワーカー増員へ
受給者の個別相談や自立支援を担当する『ケースワーカー』については、現在539名が市内各区に配置されている。だが1人のケースワーカーが受け持つ世帯数(87)は、国が標準と定める「80世帯」を約1割上回っており、現場からは「近況確認や聞き取りのための家庭訪問などで毎日のスケジュールが目一杯の状況」という声も聞かれる。
市では事態打開のため23年度、ケースワーカー56名の増員を予定する他、自立支援の中でも受給者のニーズが高い”職さがし”について「就労支援専門員と連携を図り、斡旋等に力を入れていきたい」としている。
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