その年に生まれた人が何歳まで生きられるかを表した「市区町村別生命表」の2010年分がこのほど、厚生労働省から公表された。これによると、南区は男女ともに前回調査より伸びているものの、横浜市や全国の平均を下回っている。南区役所は、高齢者の割合が増える状況に対応する取り組みを進めている。
「生命表」は、死亡状況などを市区町村単位で比較するために作成されている。人口動態統計の死亡数、出生数と国勢調査の人口を基に計算。結果は国勢調査に合わせて5年ごとにまとめられており、今回公表分は、2010年の調査人口を反映させたもの。男女別に平均であと何年生きられるかを示している。
南区の平均寿命(0歳の平均余命)は男性が78・5歳、女性が85・6歳で05年調査時よりわずかに伸びた。しかし、出生数より死亡数が多く、人口が減り続けている南区は、男女ともに横浜市や全国平均を下回っている。男性の平均寿命は市内では中区の77・1歳に次いで低く、女性は鶴見区、中区と並んで最も低い。
上位に市北部
市内では、男性で82・1歳の都筑区が全国3位、81・9歳の青葉区が8位と、南区とは対照的に若い人口が増え続けている市北部で平均寿命が長い傾向が見られる。
南区は市内でも高齢者が比較的多い。今年1月時点で、65歳以上の高齢者が人口に占める割合は23・7%。市全体の21・3%を上回り、18区中7番目に多い。75歳以上の区民は人口の11・4%で18区中5番目。
区、高齢者を強く意識
南区役所は高齢者が多い状況を意識し、健康づくりを支援する「お元気高齢者サポート事業」を05年から進める。高齢者を対象に簡易な介護予防健診を実施しており、12年度は840人が受診した。高齢・障害支援課では「気になる結果が出れば、内容に合った運動教室などを紹介している」と話す。ほかにも、高齢者に多い認知症を予防するための事業に力を入れる。
「生きがい重要」
区内の約9千人が加入する南区老人クラブ連合会の相馬誠司会長は「若いころから積極的に外に出ていた人は、高齢者になっても、いきいきとしている。退職した男性がいかに外に出るかが課題」と高齢者が生きがいを持つことの重要性を強調している。
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