南区総合庁舎が浦舟町2丁目に2016年1月に移転するまで1年となった。昨年1月から始まった建設工事は折り返しを迎え、これから区役所棟の鉄骨を組み上げる作業が本格化する。近隣住民から完成を心待ちにする声が出る一方、新庁舎へつながるバス路線や現庁舎の跡地利用法は決定しておらず、市は関係者と交渉し、検討を続けている。
蒔田駅そばの現庁舎は1974年に建てられた。老朽化が進み、耐震性に問題があることなどから、移転が決まった。
新庁舎は地下1階・地上7階建て。延床面積は現庁舎の2倍以上の約2万8千平方メートル。庁舎は区役所・公会堂棟と消防署棟に別所から移る土木事務所棟の3つの棟で構成される。
昨年1月から始まった建設工事。庁舎全体の3分の2を占める区役所・公会堂棟は現在、地下部分の工事が進んでいる。工事を請け負う大成・工藤・風越建設共同企業体(JV)によると、今年1月中旬から建物の鉄骨を組み上げる作業がスタートし、5月末まで続く予定だという。
南区と同じように16年の移転を目指し、区庁舎建設が進む港南区では、昨年11月、敷地に打ち込んだコンクリートに充填不足が見つかり、工事のやり直しが決まった。南区庁舎工事のチェック体制について、JV側は「現場管理、工事監理者、市の監督員の検査を通して、品質管理を行っている」と自信を見せる。
鉄骨を組む作業では大きな金属音が出ることが予想される。JV側は「なるべく大きな音が出ないように努力する」としている。近くに住む町内会長の男性は「工事車両の出入りもスムーズで音や振動の問題も感じていない」と話す。
昨年11月に行い好評だった現場見学会を今後も行う意向で、12月の完成へ向け、地域に開かれた形で工事を進めていく。
バス路線、交渉続く
現在、六ツ川や永田方面から新庁舎付近に停まるバスは走っておらず、路線の変更や新設を求める声が根強い。南区役所は「現在、バス事業者と交渉中」としており、結論は出ていない。
工事が本格化し、新庁舎そばの横浜橋通商店街の期待も高まっている。ある店主は「庁舎から商店街に回ってくれるような仕掛けを作らなければいけない」と1年後を見据える。商店街からは、庁舎駐車場を休日などに使える提携駐車場にする案も出ており、今後、市と交渉する。
移転後の現庁舎の跡地利用法について区は「地域の方から多くの要望をいただいており、さまざまな方法を検討している」と話し、今年中に方向性を示すという。蒔田駅付近のある飲食店の店主は「移転後も人が減らないような方法を考えてほしい」と求めた。
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