永田地区センターが今年度、開館20年を迎えた。開館時は小学生を中心に親子の利用が多かったという同所。高齢化やセンター独自の事業が増えるにつれ、子どもと親、高齢者が一緒にふれあう施設へと変わり始めている。
永田地区センターは南区に住民の交流や自主的活動の場を設けようと、当時の南、大岡に続く区内3館目の地区センターとして、1994年9月に開館した。
建設前には永田の自治会・町内会の住民ら10人で建設委員会が組織され、行政側と施設の内容を検討。当時、同委員会役員だった金子順一さんは「子どもや高齢者が集まる施設になってほしい」と要望を伝えた。
完成した施設は敷地面積約2600平方メートル、建物延べ床面積約1850平方メートル。体育室や図書コーナー、小中会議室などが設けられた。20年間、同所でサークル活動を行う団体の代表者は「永田や六ツ川から利用しやすい場所でありがたかった」と開館を待ちわびた一人。初代副館長の武井喜久子さんは「初めは小学生などの利用が多かった」と振り返る。
年間40の自主事業
05年度から8年間副館長を務めた長谷川孝子さんは「若いお母さんが少なくなり、リハビリ教室など、高齢者向けの講座が増えた」と話す。現役を退いた高齢者の利用が増え、施設には麻雀やカラオケ機器などが置かれるようになった。
65歳以上の高齢者の利用はここ10年、全体の25%前後で推移している。これは、市内で老年人口割合(65歳以上の高齢者が全体に占める割合)の高い南区全体の数字とほぼ同等にあたる。
少子高齢化とともに、利用者や団体活動に変化が見られる中、開館時に年間10程度だったセンター自主事業は今年度、約40まで拡大。20年間で同所を利用した団体は700に上る。
昨年の「地区センター祭り」には地元中学生と一緒にサークル団体の作品コーナーが設けられたほか、2月22日には親子で参加できる「もちつき大会」が予定されるなど、異世代が集う企画が増え始めている。
同センターの佐々木那樹館長は「節分に実施した『豆まき』など、現在の子どもが触れる機会の少ない事業を開催していきたい」と話し、次の20年に向け、親子と高齢者の三世代が一緒に楽しめる事業の拡充を目指したいとしていた。
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