南区内の緑の割合を示す「緑被率」がこの10年間で1割減少したことが市の調べで分かった。南区の減少率は市全体を上回っており、住宅などの開発が進んだことが影響した可能性がある。区は以前から家庭などの壁面緑化を推進しており、取り組みを進めていく。
市はおおむね5年ごとに緑の総量を調べている。航空写真から300平方メートル以上のまとまりのある緑を目視で確認し、面積に占める割合を緑被率として出している。
4月下旬に発表された2014年度の南区の緑被率は14・4%で18区中15番目。09年度より1ポイント減。04年度の16・0%から10年間で1割減ったことになる。市全体の緑被率は28・8%で10年前との比較では7%減だった。
現在と調査手法が異なるため、単純比較はできないが、南区の1975年度の緑被率は34・4%だった。
緑被率の減少について市環境創造局は「減少した原因などの詳細はこれから分析する」と話すが、一般論と前置きした上で「住宅などの開発が進めば緑被率は下がる」という。
区は「カーテン」作り
緑地は、地表面に含まれる水分が蒸発することによって熱を吸収し、気温上昇を抑える働きがある。
南区役所はヒートアイランド対策として、06年からつる性植物を育てて葉をカーテンのように覆う「緑のカーテン」事業に力を入れてきた。身近な緑を増やそうと、学校や保育園などの校舎を使ってカーテン作りを進めてきたほか、個人向けにゴーヤーの種や栽培方法を紹介した冊子を配布するなどしてきた。
今年度もカーテン作りを行う団体を支援するため、4月29日に苗や肥料などを配布。事前に応募があった50団体・369人の中から抽選で選んだ19団体・200人に渡した。区政推進課は「毎年、継続してカーテンを栽培してもらえることを目標にしている」という。
今年度中に小学校2校の校庭の一部(160平方メートル)を緑化する計画もあり、区は小規模でも身近な場所に緑を増やす取り組みを続けていく方針だ。
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