戦没者の慰霊や遺族の相互扶助などを目的に1950年に設立された南区遺族会。同会は会員の高齢化により、約30年前に比べて会員が8割以上減少している。同会の森本浩吉会長(74)は「戦争を風化させず、戦没者の志を忘れないようにしたい」と話す。
戦後は遺族を支援する情報提供などが遺族会の主な役割だった。森本会長は「今は会に入らなくても、県や市の広報紙などで情報が入る時代になった」と活動の難しさを口にする。現在は毎月1回、役員らが港南区の戦没者慰霊堂を訪れるのが主な活動になっている。
89年に927人いた会員は今年4月時点で143人。高齢化による減少が進む。会員のうち、戦没者の妻は6人、子どもは70人。
森本会長の父は44年12月、激戦地だった東部ニューギニアで戦死した。父の記憶はなく、一緒に収まった写真があるだけだという。
同地の日本兵の死者は約13万人とされ、未だに約8万柱の遺骨が見つかっていない。「東部ニューギニア戦友・遺族会」の事務局長も務める森本会長は、これまで現地を27回訪れ、遺骨調査をしてきた。「帰国し、空港に着くたびに、父もこうして日本に戻りたかったのだろうなと思う」と語る。
孫たちにつなぐ
戦争について「子どもを置いて戦地に行った父たちのことを思うと…」と言葉を詰まらせ、「今後はそういうことがないように、孫、ひ孫にも戦没者の志をつないでいきたい。会の活動に関心があれば、参加してほしい」という。南区遺族会への問い合わせは事務局(南区社会福祉協議会内)【電話】045・260・2510。
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