2016年の幕明けにあたり、本紙は南区の中島泰雄区長にインタビューを行い、昨年の振り返りと今後の事業について聞いた。中島区長は、1カ月後に迫った区庁舎移転をチャンスととらえ、「部署のつながりを強めて、どのようなサービスを行えるか考えたい」と展望を語り、区民と一体となったまちづくりをしたいとした。(聞き手/本紙・門馬康二)
バス路線は成果
――昨年を振り返って、どのような事業が印象に残りましたか。
「区庁舎移転へ向けての課題だったバス路線について、シャトル便の新設、既存便の路線延長など、一定の成果を出すことができました。地域魅力資源を発信していく試みとして、弘明寺商店街の冬の桜のイルミネーションに協力しました。これからも大岡川の桜を軸に地域の魅力発信を拡大していきたいです」
地域と向き合う
――区と住民との関わりについてはいかがでしたか。
「4月から職員の16連合地区担当制を新しい仕組みにし、今まで以上に地域と向き合えるようになりました。昨年末に素案がまとまった『第3期南区地域福祉保健計画』を作る際には、地域の方と何度も意見交換をしました。『福祉保健』という名前ですが、『地域づくり』計画の意味合いもあります。計画が始まる4月以降、進行管理をしっかりしながら、発展させていきたいです」
――各地域の活動を支える担い手が足りないことが問題になっています。
「特に若い世代に自治会町内会に参画してもらうことが難しいです。南区は保護者による『学援隊』や『おやじの会』など、学校に関係する活動が活発なので、そういう点が入口になればいいと思います」
――以前から課題になっている健康づくりに関する取り組みはいかがでしたか。
「特定健診の受診率が市内18区中最低で、受診の呼びかけに力を入れました。現在行っているウォーキング講座のほかにもスポーツイベントなど、運動の機会が必要だと考えています」
部署連携を強化
――2月8日の南区総合庁舎移転まであと1カ月となりました。
「準備は順調です。移転により、場所は区の中心から外れますが、サービスが薄くならないようにしていきます。1月30日には記念式典、内覧会を行いますので、区民の皆さんと一緒にお祝いしたいです」
――区民はサービスの充実に期待しています。
「移転を契機に各部署の横のつながりを強めたいです。自分たちがやっている仕事が何のためのものなのか、もう一度振り返り、問いかける必要があります。その中でどういったサービスを行えるのかを考えることが重要です」
――現区庁舎の跡地利用に関してはいかがですか。
「民間からの提案を聞きながら、どういった条件で公募し、売却・貸し付けするのか、詰めの作業をこれから行います」
――来年度の取り組みの方針はどのようなものになりますか。
「『賑わい』や『健康』などのテーマは変わりません。それぞれの質を高められるようにしていきます」
――最後に南区民へのメッセージをお願いします。
「区民と行政の一体感が南区の強みですが、区庁舎移転をきっかけにして、これまで以上に一緒になってさまざまな取り組みを進め、南区を盛り上げていきたいです。そして、住んで良かったと思える『あったかい』まちづくりの役に立てればと考えています」
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