市立藤の木中学校(岡田充校長・生徒282人)で5月21日、生徒と学校関係者、保護者、地域住民らが学校のいじめ問題とその解決策などを話し合う交流会が行われた。交流会は昨年に続き2回目。同校は「いじめアンケート」などを基に撲滅に向けてできることを生徒が考える授業を推進。地域や保護者との意見交換を通して「いじめを許さない」という生徒の自覚、意識向上を図っている。
同校は4月に全校生徒を対象にしたいじめに関するアンケートを実施。「いじめられることがある」「いじめられている人を知っている」と回答した生徒も複数いた。
アンケートを踏まえ、5月9日に各クラスでいじめの原因や解決策などについてできることを話し合った。生徒からは「ストレス発散のためにいじめをする人がいる」「悩みを相談できる友人を増やすこと、相手を認める思いやりの心を持つことがいじめをなくすために必要ではないか」などの意見が出た。
生徒・住民が議論
5月21日の交流会には生徒30人と小中学校の教諭、保護者、周辺自治会町内会の住民など87人が参加。グループディスカッションで生徒の意見を聞いた男性は、「思いやりの心を持ち、(いじめを注意する)勇気を持つことは大変なこと。自己肯定感を強く持って実行してほしい」などの思いを伝えた。
生徒はこれまでに行ったアンケートの結果や自分たちで考えたいじめ撲滅のために実行したいことなども発表。互いを理解するために1人1日10人以上と話すことなど、具体的な解決策を示した。交流会に参加した生徒会長の蒲谷未歩さん(3年)は、「いじめの事実を知り、自覚することが大切だと感じた」という。
「許さない雰囲気を」
出席した大岡住宅敬和会の佐野達雄会長は、「生徒は(2年目で)一歩進んだ印象がある。先生方にもさらに切り込んで子どもと一緒に考えてもらいたい。友達同士であいさつする関係を作るなどの基本から進めてもらえたら」と話した。
今後、同校では交流会で話し合われた内容を各クラスの生徒に伝え、いじめ撲滅につなげていく。
生徒指導専任の天辰庸介教諭は、「自分たちの力でなくしていくという生徒の意識が波及し、集団全体がいじめを許さない雰囲気になることを期待している」と述べた。
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