南吉田町2丁目のコミュニティーサロン「おさん」で10月31日から付近の小中学生を対象に居場所づくりを目的とした学習支援、生活支援事業が始まった。事業には民間の資金が提供される。市のモデル事業として進め、子どもの学習意欲やコミュニケーション能力の変化を2018年3月まで検証していく。
「おさん」は2012年、地域住民交流の場として住民らによるNPO法人が運営開始。しかし、活動の停滞や代表者の死去によって、15年12月から、睦地域ケアプラザや母子生活支援施設など、南区内で福祉施設を運営する社会福祉法人「たすけあいゆい」(濱田静江理事長)が運営を引き継いだ。今年4月に再オープンし、日替わりランチを350円で提供するほか、障害者の手芸品販売コーナーや絵などの展示スペースを設け、再出発していた。
今回の新事業は、学習支援などを通して小中学生が家庭や学校以外に安心して過ごせる居場所づくりを目指すもの。同法人の濱田理事長は「私たちは子どもに関する事業を行ってきたので、おさんでも子どもが安心して過ごせる居場所を作りたかった」という。
夕食提供も
おさんでは、地域住民や大学生らのボランティアが月・水・金曜日に国語や算数を教える「おさん・ひなた塾」を開設。保護者の都合などで家庭学習が難しい小中学生に対応する。また、平日は小学生に1食100円、中学生以上には350円で夕食を提供する。午後3時から8時まで出入りでき、室内で遊ぶこともできる。利用は主に周辺の日枝小学校、共進中学校の児童・生徒を想定する。
民間が資金提供
居場所づくりには、「ゴールドマン・サックス証券」=本社・東京都=が社会貢献事業として資金を提供。明治大学発のベンチャー企業「公共経営・社会戦略研究所」がおさん側にアドバイスなどを行う。学習支援によるテスト結果や生活態度の変化を事前に定めた項目に基づいて、第三者機関が評価する。市政策局は、約1年間かけてこれらの仕組み作りを進めてきた。この仕組みは「社会的インパクト評価モデル事業」と呼ばれ、市内では初の試みとなる。モデル事業として行われるのは18年3月までの約1年半。
濱田理事長は「保護者が安心して子どもを通わせられる場として、子どもの力を引き出したい」と話す。
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