市立南中学校(西嘉之校長)の生徒が8月、同校付近の平戸桜木道路沿い、京浜急行高架下の壁に学校のシンボルであるアジサイなどを描いた巨大壁画を制作した。生徒が原画を考え、美術部員が彩色。壁画は学校と地域をつなぐ架け橋として後世に残り続ける。
今年で創立70周年を迎えた同校は地域と一緒に喜びを分かち合い、後世に残るものを作ろうと記念事業で壁画の制作を考えた。10年前の60周年の際、美術部の生徒が部活動紹介のパネルを作成。パネルは現在も学校の敷地を取り囲むように飾られており、地元住民にも好評だった。同部顧問の林克巳教諭は「それを引き継ぎ、今後に残るものを作ろうと思った」という。
昨年、西校長らが高架を所有する京急電鉄に壁を使った絵画制作を打診し、京急側がこれに協力。準備が加速した。
同校は校内緑化を進めようと10年以上前からアジサイを栽培。近年は地域住民と一緒に水やりを行うなどしており、アジサイが学校と地域をつなぐシンボルになっている。
4月、「アジサイの街に愛と夢が広がる」をテーマに校内で図案を募集。計400点の中から教職員が4点を選考。全校生徒ら約600人の投票で231票を集めた美術部の矢野萌愛さん(3年)の図案が選出された。矢野さんは「広がり続ける夢を(中央にある)大きな木で表現した」と絵に込めた思いを話す。
幅10m、高さ3m
8月、美術部員約30人が壁の清掃、下塗り、下描き、色塗りなどを実施。幅約10m、高さ約3mの巨大壁画が9日に完成した。部長の井上愛翔さん(3年)は、「不安もあったが完成して嬉しかった。多くの地域の方に見てほしい」と願った。
子どもが南中に通っていたという近くに住む川井則子さんは「感謝の心が次の世代を育てると思う。地域と学校をつなぐ素晴らしい壁画」と喜んだ。
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