松田町の教育長に就任した 鈴木 良三さん 松田町松田惣領在住 69歳
優しく、時に厳しく
○…4月1日付で松田町の教育長に就任した。元小学校長。教育の前線から離れ10年が経過したが、熱意は変わらない。「まずは現場に出向き、教育施設の現状や抱えている課題を把握したい」。学校教育については「どんな課題も、信頼される学校づくりをしていれば解決できる。子ども、保護者、教職員が笑顔で過ごせる学校を目標に、各校の取組みを縁の下で支えていきたい」と抱負を語った。
○…小田原市出身。小中学生の頃は「運動会では負け知らず、絵を描かせれば賞を連発」と多彩な才能を発揮した。「勉強の方はちょっと…」と頭をかくが、小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「社会科の先生」。子どもに勉強を教えるのが好きで、大学生の頃には家庭教師のアルバイトもした。大学を卒業後、一度は会社勤めをしたが、教職の夢を捨てきれず退職。湯河原小学校で助教諭を務めながら大学の通信教育で学び、教員免許を取得した。
○…湯河原や小田原、足柄上の小学校で教壇に立ち、上大井小や中村小では校長を務めた。「子ども達には、よく歌を教えていました。教え子のクラス会で、彼らがその歌を披露してくれた」という。3月末まで館長として勤めた松田山の自然館では、近隣の小学校から校外学習などで訪れる子ども達に草花や昆虫の話、自然を使った遊びなどを教えていた。「引率する教諭が、木の名前など子どもの質問に答えられないケースも見受けられた。先生方には、幅広い知識を身に付けて子ども達に接してほしい」と苦言も少々。
○…3歳と2歳の孫の成長を楽しむ、優しいおじいちゃんでもある。余暇にはテニスや山歩きに出かけることも。奥さんと出かけるクラシックコンサートが楽しみだったが、最近は多忙のため足が遠のいている。「毎日弁当を作ってくれるなど、妻からは無言の応援を感じている。時間を作って、またコンサートに誘いたい」と感謝をにじませた。