開成VSAの生みの親 佐藤 三郎さん 開成町吉田島在住 75歳
厳しく、優しく、温かく
○…体育館の床を打つボールの音、小学生の声、悲鳴も歓声も「楽しみ」に変えるため時に厳しく子どもと接してきた。1988年に創部した「開成VSA」がこの秋、県大会で準優勝し、初めて関東大会に出場した。さらに3位の快挙も果たした。過去に男子で全国に出場したが今回は女子初の快挙だった。「2対8から大逆転した県の3回戦がポイントでした。本当にいい試合でしたよ」と、手放しで選手を褒め、たたえた。
○…体育指導員をしていた1987年に町から女子児童の指導を頼まれた。春に練習をはじめ、ようやくトスを覚えた頃、子どもたちから「試合がしたい」と声が上がった。それならと小田原地区の大会に出場したが「手も足も出なかった」。翌年秋にチームを立ち上げ、子どもたちに名付け親を託した。「開成VSA」「バレーボール・スーパー・エース。少し変だけど、せっかくだからね」と、目じりにしわを寄せた。
○…1940年、東京生まれ。戦火を逃れ、母の実家がある吉田島へ家族で疎開した。中学時代はバレーボールやハンドボールに熱中する体育系男子で、陸上競技では砲丸投げで県大会に出場するなど非凡な才能を開花させた。18歳で富士フイルムに入社しバレー部の門を叩いたが「選手としては到底及ばなかった」。同い年の妻と25歳で結婚し一男一女に恵まれ、子ども会や自治会、町の体育協会など、地域でのボランティア活動は枚挙にいとまがないほどだった。
○…12月8日に結婚50年の金婚式を迎えた。娘が嫁ぎ、自慢の嫁を迎え4人の孫にも恵まれた。順風満帆にも見えるが大病を繰り返す満身創痍でもある。チームの指導を息子に任せて久しい現在は「子どもたちの頑張る姿、喜ぶ姿を見るのが楽しい」という。今年は教え子の子どもがチームに入り、喜びもひとしおだった。「次は全国大会に出てもらいたいね。僕がついているのは、女房のおかげ」
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