大井町の西大井ふくし会の会長を務める 安池 範明さん 大井町西大井在住 73歳
地域幸せ みんなで育てる
○…西大井自治会内で福祉活動を担う「西大井ふくしの会」の会長職を2012年に引き継いだ。子どもから高齢者までが幸せを感じて生活できる地域を目指し世代間交流の場づくりに力を注ぐ。保育士や子育て経験者らと企画する「子育てスクスク応援隊」は13年目を迎えた。「11月4日で64回目。七夕やどんど焼きなど年に5回、伝承行事を伝えている。親御さんにとっても悩みを相談できる場になれば」と話す。
○…曽我大沢の生まれ。大学は経済学部に進学したが、中学時代の恩師への憧れを捨てきれず、教職課程も専攻した。片道2時間半かけて通い、帰宅は午後10時過ぎ。学食の1杯50円のたぬきそばの味が忘れられない。「おいしかった。青春の味」。民間企業に就職したが約1年で小学校教員に転職、南足柄や開成、山北などで教鞭をとった。
○…福祉活動の原点は教員、幼稚園長時代の経験。雨の日に傘を貸してくれた子、卒園後も毎年手紙をくれる子―。人と繋がる大切さ、嬉しさを子どもたちから学んだ。退職後は教育委員や少年補導員などを務めた。ふくしの会では高校や小中学校にも声をかけて祭りに参加してもらったり、大人と子どもが交流する小学生の自治会館宿泊体験も始めた。若いお母さんも参加してくれるようになった。「西大井に住んで幸せだと思ってもらえる地域づくりが私の信念」
○…朝6時半にラジオ体操をして7時半に通学路に立ち、小中学校の登校を見守る生活を10年以上続ける。「子どもたちの笑顔が私のエネルギー」。教員時代の同僚で2歳年下の奥さんは一番の理解者。スーツに合わせるネクタイの柄は奥さんにコーディネートしてもらう。「判断に迷うときは助言をもらう。一人だったら今の自分はない」。そんな奥さんとのドライブが楽しみ。趣味はハーモニカ。取材の終わりに「この地域を愛しているから」と『故郷(ふるさと)』を演奏してくれた。