戸塚町にある海藏院の山門と鐘楼が2月、横浜市から歴史的建造物として登録されたこと等から、同寺と周辺地域では、これを契機として戸塚の歴史を後々に伝える活動が生まれている。2月からは座談会も開かれ、「ヨコハマ市民まち普請事業」に応募中だ。
山門・鐘楼の建築年代は推定で江戸時代。市が歴史的建造物として指定するのは、横浜の魅力を生み出し、景観上貴重な歴史的・文化的資産として認められるもの。指定されたことで、市が保全と活用に対する支援を行う。同建築物は、江戸時代に描かれた東海道分間延絵図にも描かれている。山門については建て替えを検討していたが、調査により歴史的価値が確認され、修繕することとなった。
また、同寺の指定文化財「木造方外宏遠(ほうがいこうえん)坐像」は、文化財保護審議会で「国・県指定文化財以外の文化財のうち横浜の歴史、文化または自然を理解するうえで重要」とされたもの。同像は海藏院の開山である方外宏遠の肖像として伝来した像で、作風から1363年ごろの特色がうかがえ、南北朝時代の肖像彫刻としては市内では希少な作例だ。
まち普請事業目指す
東海道から山門までは、参道と戸塚競馬場払下げの階段がある。参道と市道が重なっていることもあり、参道の修繕費用を補う目的で、今年度「ヨコハマ市民まち普請事業」に応募中だ。同事業のコンテストに向けて、同寺では2月から月1度、地域住民や周辺商店との座談会を行ってきた。通学路であることから、「子どもが安心して歩ける道づくり」などが目標として上がった。
また「木造方外宏遠坐像」は、毎週月曜日から水曜日に公開しており、参拝料は100円〜。予告なく変更されることもある。
同寺住職の中村さんは「戸塚の歴史を街の一部として残せたら」と話した。
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