戸塚区演奏家協会が、25周年を迎える記念として、汲沢町のまさかりが淵に残る伝説を題材としたオペラを制作した。プロジェクトは2015年4月から動き始め、今年3月にオペラが完成、4月25日から稽古に入った。
戸塚区演奏家協会は、区が主催していた「戸塚クラシックコンサート」に出演した演奏家で結成されたもの。オペラの上演されるコンサートの題名は「ホット&ハートフルVol.40 〜日本再発見 戸塚再発見〜」。「ホット&ハートフル」は同協会有志で行われてきたクラシックコンサートのシリーズ。40回目を迎える今回の目的は、【1】協会、戸塚区民の財産となるような作品を生みだすこと【2】質の高いクラシック音楽を廉価な入場料で区民に楽しんでもらうこと【3】遠方に出かけることが困難なクラシック愛好家に地元で生の音楽を楽しんでもらうこと【4】戸塚区にゆかりのある演奏家の手で地域の音楽文化の活性化と向上を図ること【5】ほかのクラシックコンサートを聴くきっかけになること【6】出演者の「地元戸塚で、音楽による地域貢献をしたい」という思いを実現すること――。コンサートの第1部では邦人作曲家の器楽作品の演奏と戸塚区在住のコンテンポラリーダンサー・下坂りかさんによるダンス、戸塚区在住の舞台女優・神保麻奈さんによる「踊り場の猫」の朗読が行われる。第2部ではオペラ「まさかりが淵」が上演される。
継続できる作品に
オペラの台本が出来上がったのは2015年6月。首都圏を中心に活躍する山田香さんに作曲、秦野市出身の川島慶子さんに演出を依頼した。台本を担当した、戸塚区演奏家協会代表の吉府充希子さんは「戸塚は再開発などにより変化もあるが、美しい昔からの景色も残る街。まさかりが淵の風景は特に心に残っていた」と題材にしたきっかけを話した。
題材の元となった伝説は、主人公の彦八が汲沢町宇田川の滝壺にまさかりを落とし、滝壺の底に住む姫に拾ってもらい、もてなしも受けるが「誰にも話してはいけない」という言いつけを破り、死に至るというもの。オペラでは、彦八と姫の間に通う愛や、滝から帰らない彦八を思う家族の心情なども歌で表現。伝説には記述の無い主人公の置かれている立場や、周囲の人物の状況などもストーリーに加えた。「初演を成功させ、再演を重ねられるようなものにしたい。区内小学校などでも上演できれば」と吉府代表。
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