とつか歴史探訪 ■〜旧東海道・戸塚宿を訪ねる〜第71話〜道で見かける石仏・庚申塔:その1 庚申信仰〜
歴史の町戸塚は歩いていると、古い石仏をよく見かけます。神社の境内や道端のほか個人宅の敷地にもあって、その数は戸塚区内で400基以上にものぼります。多種多様な石仏の中で戸塚に際立って多いのが『庚申塔(こうしんとう)』と呼ばれる石仏で、160基ほどが確認されています。
平安時代に貴族の間で、中国の道教に由来する庚申信仰が流行しました。それによれば、人間の体内には三巳(さんし)の虫が住んでいて、60日に一度の庚申(かのえさる)の日の夜に人が眠ると、その虫が天に昇り天帝(天の神様)にその人の行状を報告します。悪い行いがあると天帝はその分だけその人の寿命を縮めるということです。そこで眠りさえしなければ三巳の虫は体内から出ないだろうということで、庚申の夜に人が集まって眠らずに夜を明かしました。これを「庚申待ち」といいます。
江戸時代になると庶民の間にも習慣が広まり、村人が3年とかの期間を決めて無病息災や延命などの願かけをし、庚申の日に集まって徹夜をしました。そして無事に満願の日まで続けられると庚申塔を神社などに奉納しました。道標を兼ねて道端に建てることもありました。地域の民間信仰行事であると同時に、飲食を共にして懇親を深めることで村人の連帯感を高める機会にもなっていました。
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4月18日