戸塚区剣道連盟の区内在住者、初の七段を獲得した 高橋由美子さん 上矢部町在住 63歳
「理合」に剣道の神髄を見た
○…東京武道館で昨年末、2日間にわたり行われた七段の審査会には1018人が参加。合格者はわずか271人だった。2回立ち合いがあり、1回目は男性で初太刀(しょだち)に面を取り優勢で終了。2回目は女性で面は取ったものの、苦しい展開に持ち込まれた。「相手が出てきたところで一本を決められたのは狙い通り。嬉しかった」と目尻を下げる。
○…神奈川県警で剣道師範を務めていた父が上矢部町に設立した「清水道場」で小学校5年生から剣道を開始。しかし「面白くなかった」との理由で直ぐに止めてしまう。高校3年生で二段は取得したが、のめり込むことはなかった。大学卒業後保育士となり、20代半ばで結婚へ。転機は道場の子どもたちへ指導を始めた38歳のとき。区剣道連盟で初の女性七段取得者から指導を受け始める。父が亡くなると45歳で館長にも就任した。「師匠から心では攻めつつ、技を繰り出す我慢をする『理合』を学んだ。剣道の神髄に触れ、目覚めていきました」
○…3人いる孫の一人が、自身の道場に通っている。「これが嬉しくて」とほんわかとした笑顔。子ども好きで、旭区の保育園でも剣道指導を行う。息抜きは友人と近所の居酒屋での酒食やカラオケ。「瞬間、瞬間を大切にして生きてきました。これからも貫きたい」と真剣な眼差しを見せる。
○…六段には11回目のチャレンジで合格した。全日本剣道連盟の規定で、七段を受けるには6年間待たなければならない。今回その期間を経て、3回目の審査会で七段を取得した。「ここまでこられたのは、師匠、清水道場の先生方のご指導があったから。感謝でいっぱいです。七段の名に恥じないよう、精進します」と力を込めた。
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