新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに修学旅行を実施した横浜市立深谷中学校(榎田卓央校長)。同校独自の取組みとして6月16日、旅行先の魅力を紹介するプレゼンテーション大会と、フォトコンテストを開催した。民間企業の協力も得ることで「ただの観光で終わらせない、主体性を最大限に引き出す学び」を実践した。
同校で行われたのは「奈良・京都魅力発信ツアープレゼンテーション大会」と題した3年生の修学旅行・成果発表会。学年を27班に分け、生徒による自作のスライドを用いたプレゼン大会と、自ら撮影した写真から優秀作品を選出する「フォトコンテスト表彰」の2つで順位を競った。
プレゼン大会では、修学旅行に同行した近畿日本ツーリスト(株)の有馬葉乃さんと榎田校長が審査員を務め、3年生127人が投票に参加した。
新たな学びの手段に
3年の学年主任・田山良一教諭をはじめとした学年教諭は、「子どもたちの主体性を最大限に引き出す修学旅行」という目標を達成するため実践的な方法を模索。たどり着いたのが東京都・千代田区立麹町中学校で行われていたプレゼンテーション大会だった。
「現在、プレゼンテーションは教育現場で推奨される主体的・対話的な学びの手段として需要が高まっている」と田山教諭。社会人になって必要とされるプレゼンスキルを学ぶだけでなく、他者視点に立って物事を考える機会になるという。
民間の協力で意欲向上
当日は、プレゼンテーション大会からスタート。予選を勝ち抜いた5つの班が各5分ずつ自作のスライドを用いてプレゼンを行った。
観光地の調査資料やインタビューで得た情報を盛り込んだスライドのほか、自転車や着物のレンタルをした経験から、独自の視点で魅力を伝えた班もあった。同一のテーマで、いかに他者の心を動かすことができるかなどが評価の分かれ目となった。
続いてフォトコンテストを実施。同校の卒業アルバムを毎年作成する(株)横浜綜合写真のカメラマン・野田喜人さんが修学旅行前に講演会を行った。撮影時の視点や、より良い撮影方法を生徒たちに指導してきた。写真は3年生の各教室前に掲示され、事前投票が行われた。
結果、11班がプレゼン大会、フォトコンテストの両方でグランプリを獲得した。
有馬さんは「ネットで調べれば何でもわかる時代だが、これを機会にぜひいろいろなところに自ら足を運んでほしい」と生徒に思いを伝えた。榎田校長は「コロナ禍で派手なことはできないが、少しでも達成感を覚えてくれれば」と大会を締めくくった。
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