全国的に記録的な猛暑が続く中、戸塚区内では今夏、熱中症による救急搬送が累計66件発生(7月31日時点・速報値)。前年同月比の2倍となっており、戸塚消防署では厳重な注意を呼び掛けている。
市消防局では毎年この時期に、熱中症による救急搬送件数をまとめている。そのうち、「5―7月」の区内での件数は5月が2件、6月が8件だったが、7月は56件に急増。前年同月の24件を大幅に上回っている。
発生した場所は「屋外」38件、「屋内」28件。また年代別では「高齢者」(65歳以上)が最も多く26件、次いで「成人」(18歳以上65歳未満)の23件が続く。
区内で多い事例は、屋外での活動時など。最近では、70代女性が散歩していたところ、ふらついて倒れたため救急要請し、搬送された。
屋外での散歩やスポーツはもちろん、目的地に向かって歩く際などは、集中するあまり休憩を忘れることがあるため、同症に罹りやすいという。戸塚消防署救急担当・松原祐輝課長は「最低でも30分に1回は休憩を取ってほしい。こまめに水分と塩分を補給することも非常に重要で、その両方を兼ねた経口補水液が効果的」と指摘し、「今はレジャーシーズンで外出が多い時季。しっかりと対策を施して暑さを乗り切って」と話す。
「屋内でも警戒を」
一方で、高齢者がエアコン未設置の居室で倒れたり、学生が室内での部活中に吐き気や手の痺れを訴え、搬送されたりと屋内で発症するケースも多い。「このような事態を回避するために、室内では扇風機を活用し、冷えたタオルで体温を下げるなどして熱を遮る工夫を」と呼びかける。
こうした状況を受け、同署はエフエム戸塚に注意喚起のラジオ放送を依頼しているほか、公共施設で啓発活動を行っている。
7月25日には、男女共同参画センター横浜(フォーラム)で、高齢者向けに傾向と予防方法を伝える講義を実施。「特に高齢者は汗をかきにくく、喉の渇きに気付かないことが多い。自覚がないまま発症に至る危険性が高い」とし、注意すべき点を記載したチラシを配布するなどした。
気象庁の予測では、暑さは9月上旬まで続く見込み。熱中症患者の搬送を受け入れている東戸塚記念病院救急科・村野光和(みつまさ)医師は「予防していても油断できない状況。少しでも異変を感じたら自己判断せず、病院へ相談を」と話す。
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