とつか歴史探訪 ■〜旧東海道・戸塚宿を訪ねる〜第73話 〜道で見かける石仏・庚申塔:その3 区内の庚申塔〜
戸塚区には160基ほどもある庚申塔ですが、上倉田蔵田寺の明暦2年(1656)のものは、恐らく横浜市内でも最も古い方と考えられます。主尊が地蔵菩薩で、三猿でなく二猿になっているなど、後代の典型的な庚申塔のイメージとは違っています。舞岡の寛文2年(1662)のものも古いですが、主尊は阿弥陀如来です。
庚申塔が5基〜10基と並び、いわゆる庚申塔群をなしている場所が多くあります。冨塚八幡宮の社殿の奥には青面金剛を主尊とする庚申塔として区内で最も古いと思われる寛文11年のものを含め8基の庚申塔が建っています。上倉田の子之八幡社には9基の庚申塔が並んでいて壮観です、寛文7年(1667)から昭和14年(1939)まで実に250年以上にわたり建てられています。バスからもよく見える東海道の大坂下には道路に面して8基が建っています。庚申塔群に並んだ庚申塔を見ていくと主尊が初期の阿弥陀如来などから青面金剛が主流となること、また江戸時代も後期になると文字塔が増えることなど時代の変遷が分かります。
台石には庚申講(庚申待ち参加者グループ)の人の名前が刻まれているものがよくあり、苗字も記されているのが普通で、よく言われるように「江戸時代の百姓には苗字がなかった」訳ではないことが分かります。
庚申塔には、土地の人の心が今も生き続け、花や供物などが供えられているのをよく見かけます。これからも地域の文化財として大切にしたいものです。
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4月18日