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保土ケ谷区版 公開:2012年1月26日 エリアトップへ

対談企画 地域医療のビジョンとは 保土ケ谷区三師会の会長に聞く

公開:2012年1月26日

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 保土ケ谷区内でも少子・高齢化が進み地域医療の在り方についてその重要性が叫ばれる中、本紙では地元の三師会(医師会、歯科医師会、薬剤師会)の会長を招き対談形式でインタビューを行った。3人の会長はそれぞれ、自分達が取り組むべき課題や最近の医療現場の状況などを総括すると共に、三師会の枠組みの下、連携を強化していく事などを相互に確認しあった。(聞き手/本紙・室野義之)

――まず始めに、それぞれの会の、主な取り組みについてお聞かせ下さい。

 浅野「保土ケ谷区医師会は、現在およそ2百名の会員が患者さんを中心に病院と診療所が協力して、よりよい医療の実現を目的とした『病診連携』を推進するため、『在宅医療の拡充』などに力を入れています」

 伊藤「保土ケ谷歯科医師会では『地域保健事業』『訪問診療』といった地域医療の充実をはじめ、口腔ガン検診、夜間救急など、会独自の事業についても継続して頑張っていきたいと考えます。また今年の4月以降、中断していた「妊産婦検診」の再開も確実視されていますので、スムーズな診療体制確立を図りたいですね」

 木村「私たち薬剤師会は、毎月第2金曜日に三師会館(岩間町)を会場に「情報勉強会」を開催しています。この中では広域病院の専門医や、医薬情報担当者(MR)を招き、医薬品などに関する最新情報を入手。これを区内で薬局等に勤務する約百名の会員薬剤師に行き渡るようにしています」

――それぞれの会が、他区に先駆けて積極的に行なっている事業はありますか?

 木村「保土ケ谷区には、前出の三師会館があるので、やはり他区の三師会よりも医師会、歯科医師会とのコミュニケーションがスムーズになっています」

 伊藤「そうですね。この『三師会の医療連携』については、全国的にもまだ限られた所でしか行なわれていないようです。しかし私たちは、すでに歯科医師会内に医療連携特別委員会を作り活動をスタートしています。この委員会では、例えば1人の患者を医師と薬剤師、歯科医師が連携を取り合って治療にあたって行くシステム作りなどについて検討しています」

 浅野「『三師会の医療連携』については、これからも歯科医師会、薬剤師会と歩調を合わせ、先駆者的な立場で推進していければと思っています。さらに現在、保土ケ谷医師会には、横浜市医師会の議長と経理担当の常任理事を務めるメンバーがおりますので、この2名の力添えを頂きながら『一般社団法人への移行申請』にも着手しています」

震災の影響は?

 ――皆さん、会長としてのみならず1人の医者、薬剤師として、患者さんに対峙されている訳ですが、先の震災以降、医療の現場に何か変化はみられますか?

 伊藤「一つの見方として震災以降、区内にある多くの歯科医では長期間にわたって患者の来院数が減ったと思われます」

 浅野「医師会の会員の間では”3月11日を境に、これまでほとんど無かった被ばくについての質問を多く受けるようになった”という報告がありました。やはり小さな子どもを持つ親御さんなどにとっては依然、心配な日々が続いている事を物語っていますね」

 木村「なるほど。震災をきっかけにした原発事故の影響ですね。いわゆる放射性物質について、多くの方が様々な不安を感じているという事は医者だけではなく薬剤師にも伝わってきています。私たちは直接的には専門外という事になりますが、地域の環境保全を考える立場から言えば、風評被害の悪影響などを依然として懸念しています。『被ばく量の程度やその影響』などをしっかり把握した上で、放射性物質を怖がり過ぎず、しかしながら甘くみない”適切な怖がり方”が適切な対応といえるのではないでしょうか」

連携強化図る

――最後に、今後の抱負や展望をお聞かせ願います。

 浅野「震災の質問からの続きとなりますが、やはり最近は、放射性物質だけでなく安全な食品選びや予防接種についてなどを、何でも気軽に相談できるような『家庭医』の重要性が高まったと思われます。区民の方の健康を支える地域医療の在り方として、この家庭医の拡充を目指し、三師会が一体となって取り組んで行ければと思います」

 木村「今年は『薬学部6年制』になって初めての薬剤師が誕生し、春から社会に出てきます。6年間、薬学の知識を身に付けてきたその能力に期待すると共に、皆が地域医療に貢献できるよう薬剤師会でも精一杯サポートしていければと思っています」

 伊藤「歯科医師会としての抱負は、何と言っても『三師会の医療連携』です。今年は医師会主催の『ほどがや健康塾』にも参加したいですね。それと『未入会対策』です。これはなかなか難しい問題ですが、非会員の歯科医師に入会を勧めていきます。この2つのテーマの下、継続事業も含めて区民の歯科医療向上に向かって頑張ってまいります」 
 

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