西谷駅やその周辺でほぼ毎日、ボランティアで早朝のゴミ拾いを実践している旭区川島町在住の藤田佳宏さん(71)=今号人物風土記で紹介。きょう7月11日でその活動日数の合計が2000日となり、5年以上に渡り継続してきた「努力の金字塔」が打ち立てられることになる。
藤田さんの自宅(川島町)は、分区を経て現在は旭区となったものの、今から約50年前の転居当時は保土ケ谷区だったという区境。自身、主に西谷エリアを生活圏にしており、ここを中心に清掃活動を続けている。
建設会社を定年退職後、これまで歩いてきた西谷駅までの通勤路に感謝の意を込め始めたこのボランティア。早朝4時半に起床後、万能バサミとほうき、ごみ袋を持って5時には外へ出て、近くのゴミ集積所から、1日が始まるという。
清掃の手順もほぼ決まっており、まずは戸建て住宅や田畑が多い路地を周回。たばこの吸い殻や空き缶・ビン等を、はさみを使って慣れた手つきでごみ袋へ入れていく。その後、西谷駅へ向かって細く勾配の急な坂道を下り、西谷交番付近に到着してからは通った道を逆戻り。急坂を上って、もう一度住宅や田畑周辺の道を周回後、出発地点へと戻り、その日の作業は終了となる。
毎日のルートの総距離は約2・2Kmで、所要時間は平均2時間。荒天明け等は道にごみが溢れるため、3時間以上かかることもある。
集めるゴミの平均量は、1日でスーパーの買い物袋1つ分ほど。他に空き缶やビン、ペットボトル等がそれぞれ3つ前後となり、ペットボトルだけを単純計算してもこれまでの収集本数は6千本。1本約20cmのそれを縦に積み上げれば高さ1200mにも上る、文字通り「努力の金字塔」だ。
放置車両撲滅も
朝のスタートを切る集積所は、清掃活動のきっかけにもなった場所。以前その場所はバイクや自転車などの不法放置車両で溢れており、風で倒れた車両につまずいて、すり傷をつくる高齢者、幼児などもいた。また、夜には中高生がたむろしており『たばこの吸い殻道』と化していたという。そこで藤田さんは毎日の清掃と並行して放置車両撲滅にも着手。具体的には放置された二輪車を頻繁に目立つ位置に「移動」することで、持ち主に「誰かが監視している」という意識を持たせ、自主的に持ち帰らせようという手法を採用。半年ほどでほぼ全ての放置車両が集積所から姿を消したという。
休みは6日間のみ
その後も清掃作業を続け、2010年10月に「活動1000日」の大台に到達。順調にいけば、7月11日で2000日目を迎える。この間、活動を休んだのは冠婚葬祭などで泊りがけの外出をした時と、台風による強風と大雨で身動きがとれなかった日を合わせた6日間のみ。清掃時の天候は毎日記録し、集めた吸い殻の本数はグラフにして管理するなど、データ収集も徹底しており「(清掃している場所の)ゴミの量が少しずつ減ってきている」と話す。また「道で声を掛けてくれる人も年々増えてきた」という実感もあるのだとか。
清掃中の藤田さんに「ご苦労様」と声を掛けた会社員男性は「毎日(清掃を)されている。本当に頭が下がる」と話した。藤田さんは「体が動く限りは続けたい」と話し、今後の活動継続にも意欲をみせていた。
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