苦情毎年100件超 減らぬ「猫トラブル」 保土ケ谷区、対策に本腰
保土ケ谷区内における「猫飼育に関する苦情」(ふん尿や鳴き声など)が、例年100件程度で推移しなかなか減少しないことから、区では春の繁殖期の前に飼い主や住民に対し飼育マナーの徹底などを呼びかけている。地域で行われている対策をレポートした。
猫に関する苦情は、徘徊している猫だけでなく、飼い猫であってもその大多数が屋外で自由に行動しているため、住民同士のトラブルになりやすく、保土ケ谷区役所にも相談が寄せられている=左表=。
生活衛生課の担当者は「ふん尿や鳴き声、臭いに関するもの、身体や器物への被害といったトラブルが多い」と話す。また「飼えなくなったのでひきとってほしい」といった相談については、地元の動物愛護団体等を紹介する一方「飼い主が責任を持って里親を探してもらいたい」と訴える。
さらに区では、こうした苦情に対処すべく、飼い主に広報などを通して屋内飼育を呼びかけ。ふん尿被害の抑制のために「ねこ侵入防止機器」の無料レンタル事業などを展開。発情期の大きな鳴き声や、尿の強烈な臭いを改善させる不妊去勢手術は、市で費用を一部負担する事業も行っている。
ボランティア、動く
こうした飼い主にむけたアプローチのほかに、飼い主がいない猫への対応として「地域猫活動」がある。
猫嫌いな人に配慮しつつ、地域にいる飼い主がいない猫を管理したり、新しい飼い主を探したりする活動で、将来、飼い主のいない猫をなくすことが目的だ。
保土ケ谷区では、横浜国立大学の大学公認ボランティアサークル「ネコサークル」が、キャンパス内に住み着いている猫に、管理と不妊去勢手術、定期的な餌やりを行っている。
もともと地域ボランティアの野方みどりさんらが私財を投じはじめた活動だったが、2008年にサークルが発足。これまで18年間でおよそ50匹いた猫を10匹まで減らすことに成功した。大学関係者は「野方さんが一匹一匹捕まえて不妊去勢手術を行ったことが一番大きい。まめに猫に餌やりをし、人に慣れさせないと捕獲はできない。こうした地道な活動で減らすことができた」と解説。現在学生が交代で餌やリをし、猫の世話を行っている。野方さんは「実際に猫が減少する様子を見てようやく活動を理解してもらえた」と話す。地域猫活動がトラブル減少の一助にと期待する声が大きい。
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