東日本大震災発の被災地沿岸にその土地に適した常緑広葉樹の苗木を植樹し、「災害からいのちを守る」取り組み「森の長城プロジェクト」。この取り組みのきっかけとなったのが、震災直後から被災地に入り、津波被害沿岸部に「森の防潮堤」を永遠と築くことを提唱した植物学者で横浜国立大学名誉教授の宮脇昭さん=写真=の提言だった。
宮城県沖で発生したマグニチュード9・0の大地震は巨大津波を引き起こし、東北の沿岸に壊滅的な被害を与えた。津波は沿岸にあった原子力発電所も破壊。今も住み慣れた故郷に戻れず、避難生活をしている人が数多くいる。
「震災の津波では防波堤もクロマツの防潮林もダメになってしまった。だからこそ本物の緑による防潮堤を作る機会だと考えた。被災地の海岸付近で生き延びた木々や森を知ることにより、その土地で災害に最も強く長持ちする植生を知ることができる」。宮脇さんによると、被災したクロマツ海岸林ではトベラやマサキといった広葉樹が生き残り、タブノキやシロダモといった常緑広葉樹を中心とした森が残されているという。
「津波被害沿岸部に『森の防潮堤を』」――。宮脇さんの声に政界や財界からも多くの支援が集まり、震災翌年の2012年7月には一般財団法人が設立されプロジェクトが始動した。
森の防潮堤づくりは東北沿岸部で被災瓦礫と混ぜた盛土で作った高台に土地本来の木を植える。津波の威力を減退したり、引き潮で海に流される人や財産を食い止めたりする森林を形成しようという構想。土に瓦礫を混ぜることで、土壌に空気層が生まれて地中深くまで根付きやすいという。
3月27日 南相馬で2万本
プロジェクトでは昨年末までに20万本の苗木を植樹。今年は3月27日(日)に南相馬市の「鎮魂復興市民植樹祭」で2万本を植樹するほか、5月28日に岩沼市で10万本、8月6日に岩手県内では初となる植樹祭が山田町で6千本、9月には相馬市で6千本の苗木が植えられる予定。
参加方法などはホームページ(http://www.greatforestwall.com/)を参照。問合せは【電話】03・3273・8851へ。
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