子どもがふらっと立ち寄れて、さまざまな大人と関わり合いながらみんなで食事がとれる場所――いわゆる「子ども食堂」はこのようなイメージではないだろうか。団体によって、目的や活動場所も多少異なるが、2012年頃から都内ではじまったこの活動は、今や全国で300カ所を超えるという。
8月31日、子ども食堂に興味のある人や何か始めたいと思っている人を対象にした2回目の勉強会が、保土ケ谷区福祉保健活動拠点で開催された。老若男女30以上が集まり、幅広い年代の人が興味を持っていると垣間見ることができる。
区内ではすでに活動を始めている団体もあり、その内容を聞くこともできた。また参加者の自己紹介では、何かお手伝いしたいという熱い思いがひしひしと伝わってくる。
孤食って悪いこと?
その中で青少年のひきこもりなどの自立支援を行っているNPO活動法人リロードの池田正則さんの話は、冷静に現実を考えるきっかけとなった。
「貧しいといっても衣食住に困るような子はいない」「食べられないのではなくて、面倒だから食べない。そんな子どももいる」「一人でご飯を食べることを悪くないと考えている子どもは8割」―。つまり食に困っているわけではなく、困っていることが他にあるのではないかとも感じる現実だ。
ならば食を通じ、その先に伝えたいものはなにか。しっかりと目的を持って活動することがとても重要になってくる。子どもを取り巻く問題は多様化し、実際に学習支援もするリロードでも個々の状況に合わせた支援を行っているという。
また生活水準が「他と比較して低い」という相対的貧困が、沖縄では33%であるのに対し、横浜は7・7%。地域によっても支援内容は異なることがわかる。
多方面から話を聞いたあと、参加者は班に分かれてこの会に参加したきっかけや地域に気になる人について話をした。民生委員の男性は「民生委員の活動は高齢者中心、子どもに目を向けてみたい」と話し、地産地消の活動を続けている女性は「食べられるのだけど、市場には出せない野菜がある。子ども食堂で活用できるのではないかと思った」と動機を語った。また「近所に気になる子どもがいる」と答えた子育て中の女性もいた。
安くご飯を食べられる場所だけにとどまらない子ども食堂を考えると、すぐにオープンするのは難しいだろう。だが「子どもたちに何か支援を」と思っている大人が多いことを伝えられれば、ちょっとは地域の安心感に繋がるのではないだろうか。
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