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日産財団理科教育賞 権太坂小が大賞受賞 児童の主体性育む仕組みに評価

教育

掲載号:2017年10月26日号

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受け取った賞状を児童に見せる武田校長
受け取った賞状を児童に見せる武田校長

 子どもたちの科学的思考能力の向上などを目的に公益財団法人日産財団が主催した「第5回理科教育賞」で権太坂小学校(武田浩美校長)が大賞を受賞した。10月19日に全校児童が参加し同校体育館で開かれた大賞贈呈式では、同財団の原田宏昭常務理事から表彰と盾が贈られた。

 日産自動車の生産拠点などがある神奈川、福島、栃木、福岡の4県の小中学校や団体を対象に同財団では2004年から「理科教育助成」を実施している。13年からは「理科教育賞」を創設し、助成校の取り組みを評価。今回は15年度から16年度にかけて助成を受けた32校が対象で、子どもたちの主体性を育てる理科教育の仕組みの構築を進めた同校の取り組みが、他校にも普及可能な成果を上げたとして大賞に選出された。

1人1実験へ助成金を活用

 毎年2月に市内全校で実施される学力・学習状況調査で同校は理科の学力が市平均を下回っていた。同校の授業を視察した市教育委員会の指導主事が「若い先生の前向きな姿勢に可能性がある」と同財団の助成制度を活用することを提案。2年間で70万円の助成金を受け「理科教育改革」に着手した。

 テーマに掲げたのが「子どもの主体性の育成」。思考力・問題解決能力を高めるため、これまで3、4人で1つの班を作り行っていた実験ができるだけ少人数でできるよう、助成金を使い実験器具などを増設したほか、大型デジタルテレビを理科室に設置したり、タブレットを増やすなどICT機器の環境も拡充した。

 これまで模型や映像、イラストなどで進められることが多かった項目も、質の高い体験を提供できるよう「実物路線」にシフト。6年生の人の体のつくりと働きを学ぶ授業では処理を施した豚の肺や小腸を使い観察した。今回のプロジェクトで中心的役割を果たした佐藤真之教諭は「グループでの実験では『他人事』となってしまうケースがあるが、実験を『自分事』にすることで主体性を育みたいと考えた。実物を扱うことで子どもたちが主体的に思考する姿が数多く見られた」とその成果を話す。

民間的な経営手法

 財団が同校の取り組みの中で高い評価を与えたのが「めざす子どもの姿」とそれを支える「教師の手立て」を明確化し一覧表に整理したことと、児童の変容を定量的に示した点だ。

 学校全体で理科・生活科の板書や助言方法、ノート指導などを共有したことで、教員間で実践的な改善法が議論されるなど、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法「PDCAサイクル」に近い仕組みを構築した。

「実験・観察好き」2年前に比べ増

 民間企業的な手法を導入することで教員の指導力・授業力の向上を図った結果、市の平均値を下回っていた理科の学力・学習状況調査は28年度には市平均を大きく上回り、「実験・観察が好き」と答える児童が2年前に比べ14ポイントアップした。

 佐藤教諭は「取り組みが認められ励みになる。今回の仕組みを他教科の授業にも応用し、主体的な思考ができる子どもたちを育てていきたい」と話している。

豚の肺を観察する6年生の児童
豚の肺を観察する6年生の児童

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