保土ケ谷区内に伝わる民話や昔話を題材に紙芝居を制作し、幼稚園や保育園、小学校、高齢者施設などで口演を行っている市民グループ「『ほどがや』えかたり〜べ」(篠崎顕一代表)が川島町に伝わる民話をもとにした新作「帰りたかったご本尊」を完成させた。
新作制作プロジェクトは昨秋からスタート。保土ケ谷の民話を集録した書籍から「筋立てがしっかりとしていて、比較的近世の話であること」などを理由に、川島町に伝わる民話「帰りたかったご本尊」を新作のテーマに選定した。
川島町にある随流院の別院・松月庵が今回グループが手掛けた21作目となる紙芝居の舞台。明治元年に松月庵の住職が亡くなり主を失い荒れ果てた庵の本尊を随流院に移した。時は経ち昭和初期、川島に嫁いだキヨの夢枕に本尊が立ち「松月庵に帰りたい」と語りかける。キヨからこのことを聞いた村の若い衆が立ち上がり、荒れ果てた庵を再建していく物語だ。
シナリオと絵を手掛けたのは上菅田町に暮らす主婦・工藤美代子さん(64)。民話の中に登場するキヨの孫で現在も川島町に暮らす三村敦夫さんや随流院の住職にも話を聞き、松月庵の現地調査など「取材」を重ね、書籍には記されていない新事実などを盛り込みながら作品を仕上げた。
工藤さんは「作品を通じて自分が暮らす地域に興味を持ってもらえたらうれしい」と話している。
昨年は180口演
グループの代表を務める篠崎さんはガイドボランティアとして寺社仏閣を訪ね歩くうちに、各地に伝わる昔話や民話が語り継がれていない実情に触れ、危機感を抱き2010年に民話を掘り起し、オリジナル紙芝居を作り、語り継ぐ「『ほどがや』えかたり〜べ」を設立。これまでに保土ケ谷や旭区に伝わる民話を題材にした紙芝居20作品を制作し地域ケアプラザや幼・保育園、小学校などで口演を行っている。昨年度は180回近い口演依頼を受け、6千人近い観覧者を集めた。
同グループへの口演依頼など問合せは篠崎代表【携帯電話】090・9391・7484へ。
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